保険の白いかぶせ物(CAD/CAM冠)
- 2023年4月2日
- 審美歯科
保険の白いかぶせ物(CAD/CAM冠)
こんにちは。豊中の歯科医院(歯医者)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。
前回は、自費診療と保険診療の材料の違いについてお伝えいたしました。今回は、保険診療でできる白いかぶせ物(CAD/CAM冠)についてお話いたします。
保険で白いかぶせ物ができる
近年様々な理由を背景に、国の方針として保険診療でも白いかぶせ物を装着することが可能となっています。
5-10年以上前にも、「レジン」と呼ばれる材料がかぶせ物に使われていましたが、近年ではより強度を増した「ハイブリッドレジン」という材料を使ったかぶせ物(=CAD/CAM冠)が多くの歯に適応できるようになりました。
CAD/CAM冠の利点
今までは銀歯(金属)しか入れることが出来なかった部位に、比較的安価(保険の患者様負担は3割負担の方で約6000円)で白いかぶせ物を入れることができるようになったことが、最大の利点です。
かつては”保険診療=銀歯”、”自費診療=白い歯”でしたが、様々な選択を患者様ご自身ができるようになりました。
CAD/CAM冠の欠点
このかぶせ物の欠点は、強度の低さとプラーク(歯垢)のつきやすさだと考えています。
昔の材料に比べると大きく進歩しているものの、強度の面では未だに不安が残ります。
特に、大臼歯(奥歯)や、咬む力が強い患者様に対しては、CAD/CAM冠はかぶせ物が破折するリスクが懸念されます。
また、CAD/CAM冠の表面はセラミックに比べるとざらついており、プラークが停滞しやすく、歯周病や二次カリエス(むし歯)がやや起こりやすい環境になるともいえます。
さらに、材料の性質から、歯としっかり接着させることがやや難しく、従来の金属のかぶせ物と比べて、脱離(とれてしまう)リスクが8倍高いとも言われています。
どの治療方法を選択するか
ここまで、CAD/CAM冠の利点と欠点についてお話いたしました。
かぶせ物に限らずどのような治療にも言えることですが、治療には全ての選択肢に一長一短があります。
保険診療で受けることができる白いかぶせ物は、確かによい点もありますが、同時に欠点もあります。
歯科治療を受けていただく患者様には、上記のような内容も含めてできるだけわかりやすくお伝えした上で、ご自身の価値観を元に治療方法を選択いただければと考えています。
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