根管治療コラム

根管治療を開始すると、一般的には5回や10回、場合によってはそれ以上の治療回数と期間がかかると言われています。しかし、本当に回数をかければ治ってくれるのでしょうか?何度も歯科医院に通うことは、患者様にとって負担であるだけでなく、歯にとっても望ましい状況であるとはいえません。

ここでは、日本歯内療法学会専門医が、根管治療の回数について解説します。

1本の歯の治療に数か月通うことは、あまりお勧めできません

多くの患者様から根管治療のご相談をいただく中に、治療が全く進まない、というお悩みをよくいただきます。具体的には、以下のようなお話を伺うことが多くあります。

・10回以上治療に通っているが痛みが続いている

・何度通っても終わりが見えない

・「根の中の汚れが残っている」「薬の交換が必要」と言われるが、よくわからない

中には、週1回の通院を1年、計40回以上も1本の治療のために通い続けているという患者様もいらっしゃいます。

では、このように何十回も通うことは治療の面で本当に必要なのでしょうか。

回数をかければ根の中が綺麗になるわけではない

根の治療は、根の中の清掃をして細菌を減らし、外部からの細菌侵入を防ぐために封鎖する治療です。

そのためには、マイクロスコープやラバーダム防湿を使って、”無菌的な環境下”で、根の細部まで感染している部分を取り除く必要があります。ここに時間がかかると、必要以上に治療回数がかかるだけでなく、アポイントとアポイントの間に細菌が根の中に入り込み、余計に感染が進んでしまうこともあります。

根管治療は歯の治療でも1、2を争う細かな治療です。そのため、マイクロスコープを使いこなし、適切な処置を的確に、スピーディーに行うことが求められます。

複数回の薬の交換は意味がない

一般的に言われるのが、「痛みがあるから薬の交換が必要」「根の中が汚れているからまだ時間がかかる」という意見です。しかし、根管治療で使用する薬は、菌を減らす効果があるものの、”薬が直接触れているところにしか効かない”、そして”同じ箇所に複数回薬を作用させても結果は変わらない”ことが明らかになっています。そのため、何度も同じように薬を交換しても、歯の治療としてはほとんど意味がないといえます。

また、「根の中が汚れている」という点についても、やや疑問が残ります。根の中の汚れ=細菌感染の除去は、ファイルという細い器具を使用して物理的に取り去り、さらに洗浄液を使って洗い流す方法が主となります。これは、適切な処置を行えば1回、少なくとも2回のアポイントで完了できます。また、薬の抗菌作用によって菌は減少させることができますが、あくまで補助的に使用する、というような使い方をします。そのため、”根の中の汚れが残っているから薬を交換する”ということは、あまり意味をなさないといえます。

治療が長引けば長引くほど、外部からの感染リスクが高まる

お口の中は、ものすごい量の細菌が存在しています。根の治療は根の中の細菌を減らすことが目的なので、できるだけ歯の内部に細菌が入らないようにしなければなりません。

根管治療のアポイントの間は、仮封(かふう)という、封鎖性のある材料で封をするため、細菌が歯の中に入り込むことは基本的にはありません。しかし、仮封がとれる、間隔が長期間あいてしまうという場合、根の中に細菌の感染が進んでしまう可能性があります。そのため、治療期間が延びるほど、外部からの感染リスクが高まり、問題が複雑化する可能性があります。

”できるだけ早く根の中を綺麗にし終わったら、しっかし封鎖して治療を終える”ことが必要であるといえるでしょう。

精密な治療を受ければ、1〜2回の治療で完了します

ここまでのお話から、根管治療は1回あるいは2回程度で終えることが理想的であると言えます。

根管治療は特に、治療の進み具合が100%歯科医師の知識と技術によって左右されます。そのため、必要以上に治療が長引かないためには、「1回あるいは2回で治療を終える技術があるか」「隠れた根っこの探索方法を熟知しているか」「痛みがある時の対応が適切にできるか」といった、歯科医師が根管治療に精通してるかどうかが重要な要因となります。

また、自由診療であれば一回の十分な治療時間(60-120分)を確保できるため、少ない回数で治療を終えることができます。短い治療時間(15-30分)では、どうしても回数がかかってしまします。保険診療による根管治療の場合、長い治療時間を確保することが難しいという側面もあります。

1回 or 2回で治療を終える、髙井歯科クリニックの特長

大阪府豊中市の髙井歯科クリニックでは、根管治療専門医が、少ない回数で根管治療を行なっています。また、マイクロスコープやラバーダム防湿はもちろん、CTやバイオセラミックシーラーなど、現代の歯内療法において必要不可欠な最新設備を用いて治療をいたします。

実際に来院される患者様の9割が、1回もしくは2回で治療を完了し、良好な経過をたどっています。

・治療の回数がかかりすぎていて不安

・ずっと治療を続けているがなかなか痛みが取れない

上記のような患者様も非常に多く来院されています。

根管治療でお困りのことがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

10回以上根管治療に通院しており、当院へ転院された患者様の実際の症例

監修者情報

院長 髙井 駿佑

経歴

  • 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
  • 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
  • 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
  • 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
  • 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
  • 2023年 髙井歯科クリニック 開院

資格

  • 日本歯内療法学会 専門医
  • 米国歯内療法学会 会員
  • 日本外傷歯学会 認定医
clinic

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