根管治療が治らない原因⑥ 繰り返し治療を受けている
- 2023年8月11日
- 根管治療(歯内療法)
根管治療が治らない原因⑥ 繰り返し治療を受けている
こんにちは。豊中市緑地公園の歯医者(歯科医院)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。
今回は、根管治療が治らない原因として、繰り返し治療を受けるデメリットについてお話いたします。
繰り返しの治療には2つの意味合いがあります。
① 過去に治療を受け、一度は治療を終えたものの、数年後に再発したもの
② 1本の根の治療のために、数十回以上治療を継続して受け続けているもの
上記のどちらであっても、根管治療を治すという観点からは、できれば避けたい状況です。
治療をすればするほど成功率は下がる
根の治療は、一般的に再発率(一度治療しても、数年後にまた治療が必要になる確率)が高いと言われています。
海外の文献によると、初めて根の治療を受けた歯の成功率に比べて、再治療(過去に一度治療を受けた歯の根の治療)の成功率は、10%ほど低下することが報告されています。
さらに、日本の根管治療の成功率は諸外国に比べて非常に低く、3度目、4度目の根管治療となると、成功率はますます低下してしまいます。
一本の歯の治療を何十回も受けることのデメリット
根管治療は、根の中の細菌を減らす治療であり、基本的には、2回から3回程度の治療で終えることが望ましいといえます。
なぜなら、何度も治療を行うことで、外から細菌が歯の内部に侵入するリスクが上がり、また、治療が長期にわたることで、歯の破折のリスクも上昇するからです。
また、長期(数か月)にわたり治療が続くと、歯が過敏になり、閾値(痛みや不快感を感じる境界値)が低下し、治療後も感覚異常が起こりやすくなります。
根管治療は、本来であれば成功率が高く、頻繁に再発したり、また治療に何十回もかかるというものではありません。
しかし、日本の保険制度の特徴から、上記のような状況に陥りやすい傾向にあります。
できるだけ初めにしっかりとした治療を受けることが、歯の健康のためにはとても重要です。
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