根管治療コラム

「根管治療に何度も通っているが、毎回チクチク痛みが強い」

「次も治療の予定だが、また痛いと思うと行くのが憂鬱だ」

上記のように、歯科治療中の痛みについて、不安を抱くことはありませんか?

ここでは、歯科医院を受診し、実際に根管治療(歯の神経の治療)を受けている時に感じる痛みの原因についてお話いたします。


麻酔をせずに根管治療をしているから

根管治療を受けている時、チクチク、あるいはズキズキとした痛みを感じるたことはありませんか?

歯の内部は、歯髄(しずい)とよばれる組織で満たされており、その中には痛みを感じる神経線維のほかに、血管やコラーゲンなどが含まれています。

根の中を触る場合、麻酔をしなければ、歯の中の神経線維を刺激し、刺さるような鋭い痛みを感じてしまいます。

そのためにも、根管治療を受ける場合には、必ず麻酔を行い、治療中に痛みを感じないように配慮しなければなりません。


2回目以降の根管治療は麻酔が不要であるという誤解

しかし、根管治療を行うたびに麻酔をしている歯科医院はあまり多くありません。

今でも多くの歯科医院では、「麻酔をせずに」根管治療を行っています。

なぜかというと、以下のような誤解があるからです。

  • 歯の神経が死んでいれば、根の中を触っても痛みを感じない
  • 患者様の痛みの反応を頼りに、治療を進める必要がある
  • 根管治療のたびに麻酔をするのは、患者様のためにも避けるべきだ
  • 根管治療の再治療(やり直し)では、神経が既に取り除かれているので麻酔は必要ない

実際に、根管治療を何度も続けているが痛みが引かず当院にお越しになる患者様のほとんどは、麻酔をせずに何度も治療を受けられています。

以下は、1年以上根管治療を続けているが治らず、当院に来られた実際の患者様の初診時のやりとりと治療の経過です。

初診時のやりとり:根管治療で一年以上通院中だが、痛みが変わらず続いている40代女性|根管治療の長引く痛み>>

治療中の動画:精密根管治療動画 患者様の実際のマイクロスコープ治療動画>>

実際の治療経過:根管治療で一年以上通院中だが、痛みが変わらず続いている【40代女性】_症例3>>


過去に根管治療を受けている歯であっても、麻酔は必須

すでに過去に治療を受けている歯の再治療(再根管治療・感染根管治療)であれば、神経がないので麻酔はいらない、と考えている歯科医師も多くいます。そのようなクリニックでは、再根管治療時には麻酔をせずに、根管治療が行われています。

確かに、歯の痛みを感じる神経組織はすでに取り除かれているのですが、痛みを感じることがないかというとそうではありません。

根管治療は、歯の内部の”歯髄組織(しずいそしき)”に加え、歯の周りの”歯根膜(歯根膜)”という組織でも、痛みを感じます。歯根膜は、歯の外側を取り囲むような組織であり、神経の有無に関わらず存在しています。

根管治療では、根の先の方を細い器具で触ったり、薬液で洗浄したりするため、歯根膜にも刺激が必ず伝わります。そのため、麻酔をせずに根管治療をした場合、痛みを感じてしまうのです。

つまり、過去に神経をとっている再根管治療であっても、根管治療中の麻酔は必須であるといえます。


痛みを繰り返し感じることのデメリット

治療中に何度も痛みを感じると、「次もまた痛みが来るのではないか」と身構えてしまい、痛みに対して過敏な状態となります。

こうなると、徐々に痛みの感受性が高まり(閾値が低下し)、わずかな刺激に対しても痛みを感じるようになってしまいます。

一度過敏になった歯の感覚は、元に戻るまでに非常に長い時間がかかり、場合によっては完全にもとにもどらないこともあります。

以下の記事では、根管治療後に続く違和感や不快感、痛みについて詳しく解説しています。

関連記事:根の治療後の違和感は大丈夫?根管治療後の違和感や不快感について、専門医が詳しく解説>>

極力痛みを感じずに治療を受けていただくことが、治療後の歯で快適に過ごすことに繋がります。


根管治療を専門に行う髙井歯科クリニックでは、必ず麻酔をして治療を行います

大阪府豊中市の髙井歯科クリニックでは、根管治療を行う場合には、必ず麻酔をしてから根管治療を行います。

麻酔が苦手という方は非常に多いですが、麻酔無しで根管治療を行うことは、治療中だけでなく術後の痛みにも繋がります。

極力痛みが少なくなる麻酔も心がけています。

根管治療は痛みや違和感に繋がりやすい治療です。当院で行う根管治療は、すべて日本歯内療法学会専門医が担当いたします。

近隣の患者様だけではなく、県をまたいで治療を受けに来られる患者様も多数いらっしゃいます。

現在治療中でお困りの患者様も、ぜひ一度ご相談ください。


関連記事:根管治療の痛みについて、より詳しいご説明はこちら>>

関連記事:歯の神経を抜くのは痛い?治療中・治療後の痛みと適切な対処法を解説>>

監修者情報

院長 髙井 駿佑

経歴

  • 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
  • 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
  • 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
  • 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
  • 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
  • 2023年 髙井歯科クリニック 開院

資格

  • 日本歯内療法学会 専門医
  • 米国歯内療法学会 会員
  • 日本外傷歯学会 認定医
clinic

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