奥歯の根管治療は難しいと言われ、専門医の治療を希望した３０代女性患者様｜専門医による奥歯の精密根管治療

はじめまして。髙井です、どうぞよろしくお願いいたします。今回左下奥歯の根管治療が必要と説明を受けた、とのことですが、どういう状態かお話をお聞かせいただけますでしょうか。

ありがとうございます。今は痛みなどの症状はないでしょうか？

わかりました。ありがとうございます。先ほど神経の状態の検査結果と、CTでの画像を合わせると、ほぼ間違いなく神経は死んでしまっていると考えられます。そのため、根管治療が必要な状態といえます。

治療自体は、確かに一番奥の歯は器具が届きにくかったり、歯の根の形がやや複雑であることも多いですが、だから治らないということはありません。治療をして、根の先の膿が消えて骨が再生してくれる確率は、おおよそ９０％程度です。つまり、１０本同じような歯を治療した場合、９本は治ってくれるといえます。ただし、これはラバーダムやマイクロスコープなど、根管治療に最適な環境で、経験があるDrが治療を行った場合です。

根管治療が終わった後、まずは６ヶ月は様子をみます。そこで完全に治っていれば、クラウンという全周を覆う被せ物で治す形になります。これは、奥歯の根管治療を受けた歯は、歯そのものがバキッと折れてしまうリスクがあるのですが、被せ物でかぶせることでそのリスクを下げるためです。６ヶ月後のタイミングでまだ治りきっていなければ、術後1年まで経過観察となります。

治療後３ヶ月では、おそらく根の先の骨の状態はあまり変わらないと思います。骨折した骨がすぐにくっつかないのと同じように、骨の回復には時間がかかります。そのため、最低でも６ヶ月は経過をみさせていただきたいと思っています。

他にご質問はありませんか？

それでは次回から治療をスタートしていきますね。よろしくお願いいたします！