根管治療コラム

根管治療は歯を残すための最後の手段ですが、「自由診療だと高額になるのでは?」と不安に思われる方も多いのではないでしょうか。

保険診療とは異なり、自由診療では歯科医院ごとに治療費用が設定されています。
ホームページには様々な専門用語が書かれており、いくらかかるのか調べようと思っても、「⚫️⚫️加算」や「⚫️⚫️の場合は費用が追加でかかります」など、患者様にとってはわかりにくいことも少なくありません。

この記事では、大阪で自由診療の根管治療を受ける際の費用や、保険診療との違い、当院の料金体系について、専門医がわかりやすく解説します。


自由診療の根管治療とは?

自由診療とは、健康保険の適応ではない診療のことを指します。

一般的な保険診療では、安価で治療を受けることができますが、治療方法や内容に国が定めた様々な制約があり、歯にとってベストな治療を受けることが難しいといえます。

一方で、自由診療では制約がないベストな治療を受けることができますが、その分治療費用は保険診療に比べて高額になります。

中でも自由診療で行われる根管治療は、マイクロスコープやCT、ラバーダムを使用し、再発を防ぐために時間をかけて丁寧に治療を行います。
器具や材料に制限がある保険診療と異なり、最新の機材や材料を活用できる点が特徴です。

関連記事:日本の保険治療の根管治療はなぜ成功率が低いのか?根管治療の成功率と日本の歯科医療の現状について解説>>


根管治療における保険診療と自由診療の違い

保険診療自由診療
費用数千円程度10~20万円以上
治療時間15~30分60~90分
治療期間数週〜数ヶ月1~2回
設備肉眼マイクロスコープ
成功率低い高い

根管治療に関して、保険診療と自由診療の違いは上記の表のようになります。もちろん、歯科医院によって行われる治療は様々なため、すべてが上記に当てはまるわけではありません。
しかし、保険診療では様々な制約・制限があり、より高度な歯科治療を受けることを希望される場合、自由診療での治療が推奨されます。
そのため、「歯をできるだけ長持ちさせたい」「しっかりと歯の痛みや症状を治したい」と考える方に、自由診療は適しているといえます。


自由診療の費用相場(全国・大阪エリアの傾向)

全国的に自由診療の根管治療は、おおよそ10〜30万円程度が一般的です。特に、歯科医院の専門性によって、自由診療でもその費用は異なります。

一般的に、技術が高く、より専門性の高いクリニックでは、費用も高額となる傾向にあります。

一方で、自由診療で根管治療を行っている歯科医院でも、根管治療に特化した医院でなければ、自由診療であっても相場よりも安価に設定している医院もあります。

大阪エリアでも、1本の根管治療であっても、医院ごとに10万円以上の差が見られるケースもあります。

関連記事:根管治療の“専門”って何が違う?”専門医”による治療を大阪で選ぶ理由>>


髙井歯科クリニックの費用体系と特徴

大阪で専門医による自由診療の根管治療を行っている髙井歯科クリニックでは、以下のような費用となっております(いずれもすべて税込)。

根管治療に関わる費用

  • 初診料:16,500円
  • 精密根管治療(前歯):132,000円
  • 精密根管治療(小臼歯):143,000円
  • 精密根管治療(大臼歯):154,000円
  • 経過観察:3,300円

※他院で別料金になることが多いCT撮影・クラウン除去・コア築造・ファイバーポストは、当院では根管治療費用に含まれています。

補綴(かぶせもの)に関わる費用

前歯の場合は根管治療のみで完了するケースもありますが、奥歯(小臼歯・大臼歯)の場合、歯根破折を防ぐため、必ずクラウンによる補綴(かぶせもの)を行わせていただいています。

  • 前歯(1〜3番):根管治療のみで完了するケースが多い
  • 小臼歯・大臼歯(4〜7番):必ずクラウンで補強
     ・仮歯:5,500円
     ・セラミッククラウン:143,000円

費用に関して詳しく内容は、以下のリンクをご覧ください。
精密根管治療の費用>>

⚠️上記費用は予告なく変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。


よく見る追加でかかる費用について

歯科医院のホームページを見ると、様々な追加費用が書かれており、「実際いくらかかるのか」ご不安になるかと思います。
ここでは、各項目について簡単にご説明いたします。
(髙井歯科クリニックでは、根管内異物除去とパーフォレーションリペアに関しては費用をいただくことがありますが、それ以外については精密根管治療の中に含まれています)

▼破折ファイル除去(根管内異物除去):根管治療で使用するファイルという細い器具が根の中で折れている場合、それを除去する際にかかる費用です。マイクロスコープを使用し、非常に高い技術を要する処置であり、一般的に2~5万円程度の費用とされています。髙井歯科クリニックでは、除去に時間がかかった場合のみ、22,000円の費用をいただいております(数分で簡単に取り除けた場合においては、費用はいただいておりません。)

▼パーフォレーションリペア(穿孔修復):根の中に、本来の道筋とは異なる方向に穴があいてしまうことを、パーフォレーションといいます。これをリペアするために、MTAセメントという材料を使用しますが、これに対して費用がかかることがあります(相場としては2~5万円程度)。髙井歯科クリニックでは、パーフォレーションが認められた場合、その封鎖費用として、22,000円をいただいております。

▼メタルコア除去:歯の中に入っている金属の土台(メタルコア・ポスト)を除去することに対する費用です。

▼隔壁作成:虫歯で大きく穴が空いている歯に対して、レジンの樹脂で歯を囲むような壁を作ることを指します。ラバーダムをかけるためには必須の処置ですが、歯科医院によっては隔壁作成に対して費用がかかる場合があります。

▼根管内殺菌:殺菌効果のある特殊な薬剤(3-Mix)を使用したり、光による殺菌、オゾン水による殺菌などを行うことに対する費用です。歯科医院により様々な方法が行われています。

▼MTAセメント:封鎖性が高く、抗菌効果が高い材料の使用に対する費用です。パーフォレーションリペアの際に使用しますが、すでに根の中が大きく削られている場合や、他にも様々な状況で使用されます。セメントの使用そのものに対する費用や、セメントの使用量により、費用が変わることもあります。

▼コア築造:根管治療を終えた歯は、歯の入り口部分を封鎖する必要があります。これをコア築造といいます。根管治療後には必ず必要となる処置ですが、コア築造の費用が根管治療とは別途かかる歯科医院が多く、相場としては3~5万円程度です。

▼ファイバーポスト:コア築造時に、グラスファイバー性の芯の棒を立てることで、土台となるコア材料が脱離しにくくなるための処置です。コア築造とセットとなっている場合もあれば、歯科医院によってはファイバーポストとして別途費用がかかる場合があります。


髙井歯科クリニックでの実際の治療費用

ここでは、「小臼歯の根管治療を希望し来院され、紹介状をお持ちでなく、当院で最終的なかぶせもの(クラウン)まで行った場合」の詳しい治療費用についてご紹介します。

▼初診料:16,500円 検査・CT撮影・カウンセリング・ご説明

▼精密根管治療1回目:143,000円 根管治療開始

▼精密根管治療2回目:1,100円 根管充填+コア築造

▼術後6ヶ月のフォローアップ:3,300円 CT撮影+症状の確認→追加でさらに6ヶ月経過観察

▼術後12ヶ月のフォローアップ:3,300円 治癒確認

▼仮歯作製:5,500円 歯の形を整え、仮歯を装着

▼セラミッククラウン印象(型取り):143,000円 口腔内スキャナーによるクラウンの型取り

▼セラミッククラウン装着:1,100円 セラミッククラウンを装着し治療終了

⚠️上記費用は予告なく変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。

⚠️あくまで一例であり、必ずしも上記の治療の流れや費用になることをお約束するものではありません。


よくある質問(FAQ)

Q. 自由診療の根管治療の費用はいくらですか?

初診料16,500円に加え、前歯は根管治療のみで完了することが多いです。臼歯の場合は根管治療の治癒を確認後、歯根破折を防ぐために必ずクラウンによる補綴治療が必要です。そのため、根管治療の費用に加え、仮歯代5,500円+セラミッククラウン代143,000円が追加されます。

関連記事:精密根管治療の費用>>


Q. 他院と比べて費用は高いですか?

一概に言い切ることはできませんが、根管治療を自由診療で行っている歯科医院では、クラウン除去・コア築造・ファイバーポスト・MTAセメント等が根管治療治療費用とは別料金になることがあります。髙井歯科クリニックではすべて含まれているため、それらを踏まえた上で比較・ご検討ください。


Q. 保険と自由診療の違いは?

保険診療は低コストですが、器具・材料・時間に制約があります。自由診療は再発リスクを下げ、歯を長く残すための精密治療が可能です。


Q. 自由診療で受ける価値はありますか?

特定の医療を受ける価値があるかどうかについては、患者様の価値観により大きくことなるため、一概には回答できません。
歯を残すことに大きな価値を感じない患者様(ダメになれば抜歯でもよいとお考えの患者様)にとっては、保険診療が最も適していると考えられます。
しかし、なんとしても歯を残したい、歯を残せる可能性があるなら出来る限りの治療を受けたいとお考えの患者様にとっては、価値があるといえるでしょう。

患者様にとって治療の価値があるか否かは、患者様ご自身でお考えいただければと思います。


Q. 自由診療で受けるからには絶対に治したいのですが、可能でしょうか?

自由診療で行う以上、最大限ベストな治療を行うことをお約束いたします。しかし、医療行為である以上、どれだけ丁寧に、精密に治療を行なっても、100%治ると言い切れることはありません。

多くの研究で、ラバーダムやマイクロスコープなどを用いて専門的な治療を行った場合でも、Initial Treatment(抜髄・初回治療)の成功率はおおよそ90%、Re-Treatment(再根管治療・感染根管治療)の成功率はおおよそ70%程度と報告されています。

関連記事:根管治療は、過去に治療を受けた歯の再治療の方が成功率が下がる>>


Q. 通院回数や期間はどのくらいかかりますか?

症例により異なりますが、前歯は1〜2回、臼歯は2〜3回程度が目安です(初診時の検査は除く)。感染の程度や歯の根の解剖学的形態により、回数が増える場合がありますが、多くの歯は1~2回で根管治療は完了します。

関連記事:根管治療は1回から2回で終わる?理想的な治療回数と注意点を専門医が解説>>


Q. 保険診療への切り替えはできますか?

当院は自由診療専門です。保険診療での対応をご希望の場合は、ご自身で他の歯科医院様をお調べいただき、受診をお願いいたします。


Q. もしも治らなかった場合、返金はできますか?

いいえ。自由診療による治療は、治療の成功を保証するものではありません。最大限できる限りの治療を行うことをお約束いたしますが、治療の結果に対して、治療後の返金はいたしかねます。あらかじめご了承ください。


Q. 自由診療の根管治療費用に医療費控除は使えますか?

はい。確定申告の際に、医療費控除として申告が可能です。領収書の再発行は致しかねますので、大切に保管してください。


自由診療での根管治療に関するまとめ

  • 初診料は16,500円(税込)
  • 前歯は根管治療のみで完了することが多い
  • 臼歯は仮歯+クラウンで補強(合計148,500円)
  • 他院では追加料金となる処置の多くは当院では費用に含まれる
  • 保険診療に比べ、歯を長持ちさせるための精密治療が可能

大阪で根管治療をご検討の方は、費用だけでなく「歯を残す価値」まで含めて比較されることをおすすめします。


まずはご相談ください|ご予約・初診のご案内

大阪の髙井歯科クリニックは、日本歯内療法学会専門医として、数多くの根管治療を手掛けています。一般的な歯科医院では対応できないような難症例であっても、ぜひご相談ください。

ご予約はWEB・電話で受付にて受け付けております。

お電話:06-4867-4850


監修者情報

院長 髙井 駿佑

経歴

  • 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
  • 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
  • 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
  • 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
  • 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
  • 2023年 髙井歯科クリニック 開院

資格

  • 日本歯内療法学会 専門医
  • 米国歯内療法学会 会員
  • 日本臨床歯周病学会 認定医
  • 日本外傷歯学会 認定医
clinic

〒561-0872
大阪府豊中市寺内2丁目13-1 緑地ステーションビル1F

06-4867-4850 WEB予約