根管治療(歯の神経の治療)について、「痛みはどれくらい続くの?」「何回で終わるの?」「費用はいくら?」など、多くの患者様が不安を感じられます。
ここでは、大阪で多数の精密根管治療を行う日本歯内療法学会専門医が、患者様からよくいただくご質問にまとめてお答えします。

根管治療は痛いですか?

根管治療は局所麻酔を行うため、治療中の痛みはほとんどありません。ただし神経の炎症が強い場合は麻酔が効きにくいこともあり、痛みを完全にゼロにできないケースもあります。当院では必要に応じて麻酔を追加し、できる限り痛みの少ない治療を行っています。

麻酔は効きますか?

多くの場合、麻酔は十分に効果を発揮します。急性炎症で神経が強く腫れていると効きにくいこともありますが、その際も追加麻酔や鎮静法を組み合わせ、安心して治療を受けていただけるよう対応します。

治療後の痛みはどのくらい続きますか?

治療後は炎症の反応で違和感や軽い痛みが数日〜数週間続くことがあります。症例によっては数ヶ月違和感が残ることもありますが、時間の経過とともに軽快します。痛みが長引く場合は再評価が必要です。

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治療後に歯ぐきが腫れることはありますか?

根の先に膿がある場合や炎症が強い場合は、治療後に歯ぐきの腫れが出ることがあります。多くは数日で改善しますが、長引く場合は追加の処置が必要になることもあります。


再発・成功率についてのQ&A

根管治療をすれば必ず治りますか?

根管治療は高い成功率を誇りますが、必ず治るわけではありません。根の形態が複雑な場合や過去の治療で細菌が残っている場合は再発のリスクがあります。当院ではCTやマイクロスコープを活用し、再発リスクを最小限に抑える治療を行っています。

根管治療の成功率はどのくらいですか?

一般的には70〜90%とされています。ただし治療の精度や器具の使用状況により差が出ます。精密な器具やラバーダム防湿を徹底することで成功率は大きく向上します。

なぜ再発することがあるのですか?

根管は非常に複雑で、目に見えない枝分かれや細菌の残存があるためです。また治療後に適切な被せ物をしない場合も再感染のリスクが高まります。

再発した場合は再治療で治せますか?

多くの場合、再根管治療によって改善が見込めます。ただし歯の状態によっては外科的治療や意図的再植術が必要になることもあります。

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治療回数についてのQ&A

根管治療は何回で終わりますか?

当院では1〜2回で終えることを基本としています。回数を重ねるほど外部からの細菌感染リスクが高まるため、短期間で精密に治療を終えることが大切です。

1回で終わる場合と複数回かかる場合の違いは何ですか?

根管が単純で感染が少ない場合は1回で完了できますが、感染が広がっている場合や形態が複雑な場合は複数回に分けて洗浄・消毒を行います。

長期間治療が続くとどうなりますか?

治療が長引くと、その間に新たな細菌感染が起こるリスクが高まります。短期間で精密に治療を終えることが、歯の予後を良くする重要なポイントです。


費用についてのQ&A

根管治療の費用はいくらですか?

自由診療のため部位によって異なります。前歯・小臼歯・大臼歯で費用が変わり、症例の難易度によって追加費用がかかる場合もあります。詳細は費用ページをご確認ください。

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保険診療と自由診療の違いは何ですか?

保険診療では時間や使用器具に制限があり、成功率に限界があります。自由診療ではマイクロスコープやCTを用い、再発防止を重視した治療が可能です。

前歯・小臼歯・大臼歯で費用は変わりますか?

はい、部位ごとに治療の難易度が異なるため、費用も変動します。詳しくは費用ページをご覧ください。

費用ページ>>

再治療や外科処置の場合の追加費用はありますか?

再治療や歯根端切除術、意図的再植術などを行う場合は追加費用が必要です。詳細は症例に応じて説明いたします。


治療方法・設備についてのQ&A

マイクロスコープは必ず使うのですか?

当院では全ての根管治療でマイクロスコープを使用します。肉眼では見えない細部を拡大視することで、治療精度が大幅に向上し、再発防止につながります。

CT撮影はなぜ必要ですか?

根管の形態や病変の広がりを三次元的に把握するためにCTが有効です。特に再治療や複雑な形態の歯では診断精度を高めるために欠かせません。

ラバーダムはどういう役割がありますか?

ラバーダムは治療中に唾液や細菌が根管内に侵入するのを防ぎます。清潔な状態で治療を行うために必須の器具です。

歯髄保存療法と根管治療の違いは何ですか?

歯髄保存療法は神経を残す治療、根管治療は感染した神経を取り除く治療です。歯の状態によって選択が変わります。


治療後の経過・予後についてのQ&A

根管治療後の歯はどのくらい持ちますか?

適切な治療とその後の被せ物によって、長期的に機能することが可能です。ただし歯は神経を失うと脆くなるため、クラウンで補強することが推奨されます。

クラウン(かぶせ物)は必ず必要ですか?

臼歯の根管治療後は特に破折リスクが高いため、クラウンによる補強が必須です。クラウンを装着することで歯の寿命を大きく延ばせます。

神経を取ると歯は弱くなりますか?

はい、神経を取ることで歯は水分を失い、破折しやすくなります。そのため根管治療後は適切な補綴処置が重要です。

歯が割れるリスクはありますか?

根管治療をした歯は破折リスクが高くなります。クラウン装着や定期的なメンテナンスで予防することが大切です。


その他のよくある疑問

抜歯が必要になるのはどんな場合ですか?

根管治療や再治療を行っても改善しない場合、または歯根破折などで保存が不可能な場合は抜歯となることがあります。その際は歯の移植やインプラントなどの選択肢を提案します。

セカンドオピニオンは受けられますか?

はい、当院ではセカンドオピニオンも対応しています。他院で説明を受けた内容について不安がある場合や、治療方針を比較したい場合にご相談ください。

治療後に定期的な検診は必要ですか?

はい、治療後の経過観察は非常に重要です。半年〜1年ごとにレントゲンで確認し、再発がないかをチェックすることをおすすめします。

痛みについてのQ&A

根管治療中は痛いですか?

根管治療は局所麻酔を行うため、治療中の痛みは基本的にはほとんどありません。また、局所麻酔の前にゼリー状の表面麻酔を塗布することで、麻酔の注射の痛みもできる限り軽減するようにしております。ただし、神経の炎症が強い場合は麻酔が効きにくいこともあり、痛みを完全にゼロにできないケースもあります。その場合、必要に応じて麻酔を追加し、できる限り痛みの少ない治療を行っています。

麻酔は効きますか?

多くの場合、麻酔は十分に効果を発揮します。しかし、急性炎症で炎症が強い場合、麻酔の効果が効きにくいこともありますが、その際も追加麻酔や、どうしても処置が難しい場合には静脈内鎮静法を組み合わせ、安心して治療を受けていただけるよう対応します。

根管治療後の痛みはどのくらい続きますか?

根管治療を受けた歯は、たとえラバーダムやマイクロスコープを使用して精密に行なったとしても、違和感や軽い痛みが数日〜数週間続くことがあります。根管治療を受けた患者様のおよそ半数に、術後2〜3日程度の不快感が認められたとの報告もあります。しかし、稀に根管治療後に強い痛みや腫れが生じることが報告されています(フレアアップ)。

根管治療後に痛い場合はどうすればよいですか?

根管治療を受けた後の痛みは一時的なものであり、時間経過とともに軽減します。しかし、不快症状が強い場合は、痛み止めを服用していただいて問題ありません。根管治療後の痛みは、治療に対する身体の免疫応答によるものです。根管治療後に痛みがあることが、治療がうまくいっていない、あるいは将来治らないというわけではありません。しかし、不十分な治療(虫歯が残っている、ラバーダムを使用していない、何度も薬の交換だけの通院が続いている等)の場合は、時間が経過しても治らない場合があります。そのような場合には、根管治療を専門としているクリニックに相談し、精密な治療を受けることが推奨されます。

根管治療後に歯ぐきが腫れることはありますか?

はい。根管治療後は、歯ぐきが腫れることがあります。治療後の歯ぐきの腫れは、根管内の細菌と身体の免疫応答のバランスによる副反応としての腫れであり、治療の失敗を意味するものではありません。痛みと同様に、自然に消失します。また、麻酔を打った部位に内出血が生じ、赤く、あるいは白っぽく歯ぐきの周りが腫れることや、ラバーダムの装着に伴い歯の周囲の歯肉が口内炎のように荒れることもあります。どちらの場合であっても、多くは治療後1週間程度で自然に軽減します。

根管治療後の違和感はどの程度続きますか?

根管治療後の違和感は、短期的なものと長期的なものにわけることができます。治療後数日は、治療の反応として鈍い疼痛や不快症状が起こりますが、多くは時間経過とともに自然と消失します。しかし、根管治療を受けた歯は歯の内部構造が健常な歯と異なるため、長期にわたり、歯の過敏な感覚や違和感が継続することがあります。通常、根管治療後およそ6ヶ月程度で徐々に軽減しますが、それ以上の長期にわたり強い不快感や疼痛が強く続く場合、非歯原性疼痛の可能性があります。非歯原性疼痛の場合、ペインクリニックという痛みの専門クリニックにご紹介させていただきます。

根管治療後、6~12ヶ月経過していても明らかに痛い場合、どうすればよいですか?

まず、受けた根管治療の質、そして治療が治っているかどうかの判断が重要です。ラバーダムやマイクロスコープを使用せず、無菌的な治療が行われて“いない”場合は、根管内に細菌感染が多く残っていると判断し、再根管治療の適応となります。もしも無菌的な環境で精密な治療を受け、レントゲン的に根の先の病変が治癒(根管治療は成功)しているにもかかわらず痛みが強い場合、非歯原性疼痛の可能性があります。

非歯原性疼痛の特徴は?

非歯原性疼痛(ひしげんせいとうつう)とは、患者様は歯の痛みとして感じているが、その原因は歯以外(非歯原性)にあるものを指します。非歯原性疼痛は、「40〜50代女性・慢性的な痛みの既往・不安を感じやすい性格」の方に圧倒的に多いと報告されています。また、痛みの特徴としては、「歯を中心とした広範囲にわたる痛み」「ピリピリ、ヒリヒリした慢性的な痛み」が挙げられます。根管治療と非歯原性疼痛は密接に関わっており、非歯原性疼痛と判断された場合、ペインクリニックや大学病院の歯科麻酔科と連携し、痛みのコントロールが必要となります。

ラバーダムなしで根管治療を受けたが痛みが引かない場合、どうすればよいですか?

ラバーダムなしでの根管治療は、根の中の細菌感染をコントロールできないため、痛みが出やすいと言われています。また、炎症を起こしている歯の神経が残っている可能性や、虫歯が残っている可能性もあるため、ラバーダムとマイクロスコープを使用した環境下で、再根管治療を受けることを推奨されます。

再発・成功率についてのQ&A

根管治療をすれば必ず治りますか?

根管治療は高い成功率を誇りますが、必ず治るわけではありません。根の形態が複雑な場合や過去の治療で細菌が残っている場合は再発のリスクがあります。当院ではCTやマイクロスコープを活用し、再発リスクを最小限に抑える治療を行っています。

根管治療の成功率はどのくらいですか?

一般的には70〜90%とされています。ただし治療の精度や器具の使用状況により差が出ます。精密な器具やラバーダム防湿を徹底することで成功率は大きく向上します。
また、歯の状況により、成功率は異なります。
・初めて根の中を触る治療(抜髄・Initial Treatment):およそ90%
・過去の治療の再根管治療(感染根管治療・Re-Treatment):およそ70%
これらは、ラバーダム防湿を行い、マイクロスコープを使用して治療をした海外の文献のデータです。一般的に日本の保険診療で、ラバーダムなしで治療を受けた場合、成功率は上記より大きく下回るといわれています。

なぜ再発することがあるのですか?

根管は非常に複雑な形態をしており、目に見えない枝分かれや細菌の残存があるためです。たとえマイクロスコープを使用しても、根の中をすべてくまなく目視することはできません。直接触れることができない領域に対しても、洗浄液を活性化させる等の工夫をして細菌の減少を行いますが、100%細菌を死滅させることはできません。細菌を十分に減少させることで、身体の免疫力が優勢となり、病変は治癒します。しかし、残った細菌の病原性が強い場合や、細菌の残存量が多い場合には、再発することがあります。また、治療後に適切な被せ物をしない場合も、虫歯の再発生によって根管内に細菌が新たに侵入し、再感染のリスクが高まります。

保険診療の根管治療は成功率が低いと見たのですが、なぜでしょうか?

一般的に、日本の保険診療で行われた根管治療は成功率が非常に低いと言われています。これは、国の制度上、治療の選択肢に制限があり、歯を治すためのベストな処置が難しいことが原因といわれています。また、保険診療の場合、治療時間を十分に確保することも難しく、さまざまな要因から、保険診療での根管治療の成功率は低いとされています。

根管治療の再発を防ぐためにはどうすればよいですか?

根管治療の再発を防ぐためには、以下の点が重要です。
・虫歯を完全に除去し、ラバーダム防湿下で無菌的な治療を行うこと
・根管内の細菌減少のために、機械的拡大・化学的洗浄を十分に行うこと
・治療後に、新たな細菌の侵入を防ぐために精密な修復治療を行うこと
・臼歯の場合、将来的な歯の破折を防ぐためにクラウンによる補綴治療を行うこと

以前根管治療を受けた歯が痛みますが、再根管治療は可能でしょうか?

はい。多くの根管治療の再発は、再治療が可能です。特に、以前に受けた治療が「ラバーダムが使用されていない」「十分な感染源の除去が行われていない」場合には、根の中の細菌をより減らせる余地があるため、治療して治る可能性が高いといえます。しかし、歯の状態によっては、再根管治療よりも、外科的歯内療法(歯根端切除術や意図的再植術)が適している場合もあります。また、歯が割れてしまっている場合や、虫歯があまりにも深い場合、歯そのものが長持ちせず、治療を行うことができない場合もあります。

なぜ、治療して一度治った歯が再発するのでしょうか?

一度治ったということが、単に症状がおさまったのか(一時的に症状が落ち着いただけ)、レントゲン画像で根の先の黒い影が消失したのか(一度病変が治癒した)でも異なります。症状が治ったが、数ヶ月してまた再発した場合、治療により一時的に症状が軽減していただけで、根本的には治っていなかった、という可能性もあります。また、レントゲンで黒い影がしっかりと消えて骨が回復したにも関わらず、数年経って再発するということもあります。この場合、なんらかの原因で新たな細菌感染が生じていると考えられます。いずれであっても、歯の状態を精査した上で、再根管治療の可能性はあるといえるでしょう。

根管治療の問題が再発したら、もう抜歯しかないと言われました。本当に歯を抜くしかないのでしょうか?

根管治療の問題が再発した場合でも、精密な治療によって歯を残すことができる可能性があります。根管治療の再治療は一般的に成功率が非常に低く、専門的なトレーニングを積んだ歯科医師でなければ、正確に治療を行うことは難しいといわれています。しかし、根管治療の再発が必ずしも抜歯になるかというと、決してそうではありません。歯の状況にもよりますが、再発に対してもできる限りの治療を行うことで、歯を残せる可能性はあると考えてよいでしょう。

フィステル(白いできもの)があるのですが、治療方法はあるのでしょうか?

フィステルとは、歯の根の先に溜まった膿が歯肉からプツッと出るものを指します。フィステルの原因は根の先の膿(根尖性歯周炎)であることが多く、根尖性歯周炎は根管治療によって治る可能性が十分にあります。しかし、歯の根が破折してしまっている場合や、歯周病が進行している場合でも、フィステル(と同様の膿)が認められる場合があります。

根管治療を受けましたが、フィステルが消えません。失敗でしょうか?

治療直後には、根管治療が失敗したのかどうかの判断はできません。根管治療が成功した場合、フィステルは消失します。しかし、どのタイミングでフィステルが消失するかは、根の先の病変の大きさにより異なります。一般的には治療後比較的早いタイミングで消失しますが、術後6ヶ月時点では残存しており、12ヶ月が経過してようやく消失するものもあります。そのため、「治ったかどうか」の判断については、最低でも6ヶ月、基本的には12ヶ月の期間が必要といえます。

ラバーダムやマイクロスコープを使って根管治療を受けたが、根の先の膿が消えませんでした。どうすればよいでしょうか?

無菌的環境下で根管治療を行っても、その成功率は初回の治療ではおよそ90%、再根管治療ではおよそ70%程度といわれています。精密な治療を受けても治癒しない場合、再度同じ治療をすることは推奨されません。そのような場合、外科的歯内療法(歯根端切除術・意図的再植術)の適応となります。

歯が割れているため抜歯しかないと言われましたが、何とか残せないでしょうか?

歯が割れている部位にもよりますが、歯の根(歯根)が割れている歯根破折の場合、歯の保存は難しいといえます。根管治療は、無菌的な環境で、歯の内部の細菌感染を取り除く治療です。歯にヒビが入っていると、その隙間から常に細菌感染が起こり続けるため、治療が奏功せず、根管治療を行っても治りません。よって、歯が割れている場合は、抜歯の適応となります。

他院で歯根破折と診断されましたが、CTで破折をみてもらうことはできますか?

残念ながら、歯の破折・歯根破折は、レントゲンやCTでは判断できません。大きく真っ二つに割れている場合はCTで判断できますが、歯に生じたヒビはCTであっても検出することはできません。歯根破折のうち、CTで判断できるのは10本中2本程度といわれています。つまり、CTでも割れているかどうかはわからないといえます。歯根破折やクラックの診断は、直接顕微鏡で割れている部位を確認(視認)して、初めて診断できます。

治療回数についてのQ&A

根管治療は何回で終わりますか?

歯の状態や症状によって異なりますが、根管治療を専門的に行う医院であれば、 1〜2回の治療でほとんどのケースが完了します。根管治療の回数は、できる限り少ない回数で終えることが望ましいとされています。理由は、回数を重ねるほど、外部からの細菌感染のリスクが高まるからです。根管治療を専門とする歯科医院では、CTやマイクロスコープを用いて正確な診断と処置を行うため、通院回数を抑えることが可能です。回数をかけるから治る確率が上がるのかというと、決してそうではありません。そのため、最短で1回、多くても2回程度で治療を終えることが望ましいといえます。

根管治療が1回で終わる場合と複数回かかる場合の違いは何ですか?

根管治療の回数は、歯科医院の治療方針や歯科医師の技術、歯の状態により異なります。仮に1回で終えることができる場合、1回で終える方が患者様にとっても楽な上に、治療成績の点でみても、1回で終えた場合と複数回で終えた場合で成功率に差はないことが報告されています。ただし、根管内の細菌感染が十分に取りきれていないにもかかわらず無理に1回で治療を終えることは、再発のリスクがありおすすめできません。そのため、1回で終えるのが適しているのは、「シンプルな根管で、感染を取り除く治療技術と環境が整っており、十分な治療時間を確保できる場合」であるといえます。一方で、治療前に痛みが強い場合や、感染が強い場合、根管が複雑な形態をしている場合は、2回にわけて根管治療を行います。

何度も薬の交換に通っていますが、あまりよくなっている気がしません。大丈夫でしょうか?

一般的に保険診療で根管治療を行っている歯科医院では、「薬の交換」という説明で、5回10回と治療の回数がかかることがあります。しかし、薬の交換を繰り返すことは、あまり意味がないだけでなく、薬の種類によっては歯が過敏になる可能性や、新たな問題を引き起こす可能性があります。根管内に薬を入れることを貼薬(ちょうやく)といいますが、貼薬による細菌の減少は、複数回行っても効果はありません。そのため、必要以上に薬の交換を繰り返すことは、できれば避けた方がよいといえるでしょう。

根の中が汚れているので回数がかかると言われましたが、なぜ汚れを取るのに回数がかかるのでしょうか?

根の中の汚れが何を指しているかにもよりますが、根管内の細菌感染は、「ファイルという器具を使って根の中を機械的に拡大する」「抗菌作用のある薬液で洗浄する」という二つのステップで取り除きます。いずれも、しっかりと治療時間を確保し(60〜90分)、マイクロスコープという顕微鏡を使い明視野下で治療を行えば、最短1回で汚れ(感染源)は取り除くことが可能です。しかし、根管治療の治療時間や治療環境は歯科医院によってさまざまであるため、必ずしもどの医院でも1回あるいは2回で終えることができるわけではありません。

長期間治療が続くとどうなりますか?

根管治療が長引くと、2つのデメリットが挙げられます。ひとつめは、治療のアポイントの間に新たな細菌感染が起こるリスクが高まることです。ただし、これはラバーダム防湿下で無菌的な治療を受けていることが前提です。ラバーダムなしで治療を受けている場合、治療をすればするほど、唾液による細菌感染が広がると考えられます。またふたつめは、使用する薬剤によっては歯が過敏になり、痛みが長期化しやすいことです。慢性的な痛みが続くと、痛みの閾値が低下し、場合によっては非歯原性疼痛という、歯以外の痛みを引き起こす可能性があります。短期間で精密に治療を終えることが、歯の予後を良くするための重要なポイントです。

遠方(海外)に在住しているため、できるだけ1回で治療を終えたいのですが、可能でしょうか?

1回終える根管治療に対応しているかどうかは、歯科医院により異なります。詳しくは、受診を検討している歯科医院へご相談ください。大阪の髙井歯科クリニックでは、海外から来院される患者様の場合、以下のようなプランをご提案しています。詳しくは、リンク先のページをご覧ください。

費用についてのQ&A

根管治療の費用はいくらですか?

根管治療の費用は、保険適応か自由診療かで異なります。「保険診療で根管治療を行っている医院」と「自由診療で根管治療を行っている医院」があり、まずは受診しようと考えている歯科医院が、保険と自由診療のどちらで治療を行っているのかをご確認ください。
保険診療の場合:数千円程度(国の制度により規定)
自由診療の場合:およそ10〜20万円(医院によりさまざま)

また、自由診療の場合、費用の設定が歯科医院により異なります。また、部位(前歯・小臼歯・大臼歯)で費用が変わり、症例の難易度によって追加費用がかかる場合もあります。

髙井歯科クリニックの場合、根管治療の費用は以下の通りです(いずれも税込)。
前歯の精密根管治療:132,000円
小臼歯の精密根管治療:143,000円
大臼歯の精密根管治療:154,000円
詳細は費用ページをご確認ください。

保険診療と自由診療の違いは何ですか?

保険診療とは、国が定めた社会保障制度であり、すべての国民が安心して医療を受けることができるという理念のもと成り立っています。しかし、治療は国が定めた制度内で行わなければならない厳格なルールがあります。具体的には、使用できる機器や機材、材料が制限されています。厚生労働省は、「過剰診療の防止」、すなわち、「保険診療では、必要最小限の治療にとどめるように」と明言しています。つまり、「最低限の治療は保険診療でカバーできるが、それを超える質の治療の場合は保険適応外となる」ともいえます。自由診療では、治療時間・材料・機器・術式に制限がないため、再発防止を重視した質の高い治療が可能です。よって、将来の再発を防ぎ、質の高い治療を受けることを希望する場合は、自由診療で治療を受けることを推奨しています。
髙井歯科クリニックでは、長期的な歯の保存を目指して、自由診療に特化した歯科治療を行なっています。

前歯・小臼歯・大臼歯で費用は変わりますか?

はい。部位ごとに難易度が異なるため、費用も変動します。髙井歯科クリニックの場合、根管治療の費用は以下の通りです(いずれも税込)。
前歯の精密根管治療:132,000円
小臼歯の精密根管治療:143,000円
大臼歯の精密根管治療:154,000円
詳細は費用ページをご確認ください。

再治療や外科処置の場合の追加費用はありますか?

歯科医院によって、費用の設定はさまざまです。髙井歯科クリニックでは、抜髄(はじめて根の中を触る治療)と感染根管治療(過去の治療のやり直し・再根管治療)で費用はわけておりません。同一の費用設定としております。 追加費用として、破折ファイル除去・パーフォレーションリペア(当院では22,000円)がかかる場合があります。また、当院ではいただいておりませんが、修復物除去・メタルポスト除去・隔壁作成・ファイバーポスト・コア築造・MTAセメントなどで別途費用がかかることもあります。 外科処置(歯根端切除術・意図的再植術)は、精密根管治療とは異なるため、外科処置の費用が必要です。

根管治療の費用だけで、すべて治療を終えることができますか?

前歯で残存歯質が十分にある場合は、根管治療のみで治療を終えることができます。臼歯(小臼歯・大臼歯)の場合、将来的な歯の破折リスクを軽減するため、クラウンによる修復治療(かぶせもの)を必ず受けていただくことを推奨しています。クラウンに関わる費用として、仮歯代とセラミッククラウン代がそれぞれかかります。

もしも治療中に歯が割れていることが判明したら、治療費用はどうなりますか?

根管治療を開始した後に、マイクロスコープにてクラックや破折が確認され、治療をせずに抜歯することとなった場合、精密根管治療の費用はいただきません。その場合には、初期治療費・破折診断量として、33,000円の治療費用がかかります。

自由診療の根管治療はなぜ費用が高いのですか?

自由診療での根管治療の費用が保険診療に比べ高額となるのは、いくつかの理由があります。
・ひとりの患者様の治療時間を長時間確保するから
・保険診療では使用できない優れた材料を使用するから
・消耗品であっても、コストよりも性能を重視したものを使用するから
特に、治療時間を十分に確保し、歯の問題を治すためにベストな材料や機材を使用して治療を行うことは、保険診療の枠組みでは不可能です。これらのことから、自由診療の治療費は保険診療に比べて高額になる傾向にあるといえます。

治療方法・設備についてのQ&A

マイクロスコープは必ず使いますか?

はい。当院では、全ての根管治療でマイクロスコープを100%使用します。肉眼では見えない細部を拡大視することで治療精度が大幅に向上します。根管内の感染を徹底的に取り除くことが可能となり、再発防止につながります。 (マイクロスコープを仕様した実際の治療動画は下記をご覧ください)

CT撮影は必須ですか?なぜ必要ですか?

CT撮影は基本的には必須といえます。根管の形態や病変の広がりを三次元的に把握するためにCTが有効です。特に再治療や複雑な形態の歯では診断精度を高めるために欠かせません。CTなしでの根管治療も可能ですが、診断の精度や術後の治療結果の評価の精度の面で十分な質が担保できないため、現在ではCTを撮影した上で根管治療を行うことを推奨しています。また、外科的歯内療法(歯根端切除術・意図的再植術)の場合、外科処置を安全に行うためにも、CTは必ず撮影し、治療を行わせていただいています。

他院でレントゲンやCTを撮影したのですが、何度も撮影して被爆は大丈夫でしょうか?

レントゲン撮影の被爆は、たとえ短期間に何十回撮影しても、身体への影響は一切ないことが報告されています。歯科用CTのレントゲン被曝量は、海外へ飛行機で移動する際の被曝量と同程度と言われており、日常生活での1年間の自然被曝量よりもはるかに低いと言われています。また、歯科用のレントゲンは医科のものと比べ照射範囲、照射量も少なく、医科用CTの撮影1回の被曝量と歯科用CTの撮影70回の被曝量は同じといわれています。

レントゲンを何度も撮影してから体調が悪いのですが、何か原因はありますか?

CTであっても、レントゲンを撮影して体への影響が出ることはありません。おそらく、何度もレントゲンを撮影する状況というのは、何らかの原因でいくつかの医院を受診していることが多いと思われます。口腔内の痛みや腫れなどのストレスや、病気に対する不安や心配なお気持ちなどから、体調を崩される方はおられます。しかし、レントゲンの撮影が、体調不良の原因になることはないといえるでしょう。

他院でレントゲンやCTを撮影したので、なるべく撮影したくありません。前の医院でもらった写真やデータで診断はできますか?

前医で撮影した画像(印刷した写真)で、ある程度のことは判断できますが、前医のレントゲン写真で診断をすることや、その情報を元に治療を進めることはできません。レントゲン画像は医院の設備によっても精密さが異なることもあり、さらにCTの場合、任意の切断面で画像を構築できるため、印刷した写真では必要な情報が得られない可能性もあります。また、CTのデータの場合、医院の設備によってはその場でファイルを開くことができない場合や、ファイル形式によってはそもそも適応していない場合もあります。以上のことから、新たな医院では再度撮影することが、正確に診断するためには望ましいといえるでしょう。

CTで歯根破折の診断ができると聞きましたが、可能でしょうか?

いいえ。CTによる精密な三次元画像であっても、歯根破折・クラックの診断はできません。大きく割れてしまっている場合はCTによる検出が可能ですが、わずかな歯根表面のヒビは、CTであっても検出できません。歯科医師によっては、「CTなら割れているかがわかる」と説明される先生もおられますが、実際にはCTに写ることは少ないといえます。

マイクロスコープやCTがあれば、どこでもある程度良い治療が受けられますか?

いいえ。機器の有無だけでは、治療の質は決まりません。実際の処置は、術者の技術と経験に大きく依存します。そのため、同様の設備があったとしても、治療を行う歯科医師がどれだけ根管治療に精通しているかによって、結果は異なるといえます。近年では、根管治療専門、と謳う歯科医院も増え、そのほとんどでマイクロスコープやCTなどの設備が揃っています。しかし、本当にその治療を専門的に行うことができるかどうかは、機器が揃っているかどうかとは別物といえるでしょう。

ラバーダムはどういう役割がありますか?

ラバーダムとは、歯に装着するゴム状のシートのことで、治療中に唾液や細菌が根管内に侵入するのを防ぐために使用します。ラバーダムがない状態で根管治療を行うことは、根の中に唾液を介して容易に細菌感染を引き起こすため、推奨されていません。近年ではラバーダムは徐々に患者様や歯科医師にも浸透してきていますが、それでも多くの歯科医院では、いまだにラバーダムなしで根管治療が行われているのが現状です。ラバーダムなしでの根管治療は、治療の成功率を下げる(失敗する)大きな原因のひとつと考えられます。

ラバーダムを使って治療できるか心配ですが、大丈夫でしょうか?

これまでラバーダムを使用した経験がない患者様であっても、基本的には問題なく治療を受けられる方がほとんどです(1回の治療時間はおおよそ60〜90分程度)。しかし、どうしても治療に不安がある方や、ラバーダムの圧迫感が心配な方に対しては、静脈内鎮静という方法を提案しております。静脈内鎮静とは、麻酔科専門医の先生が同席し、腕(あるいは手の甲)の静脈を経由してゆっくりとお薬を注入し、眠ったようなウトウトした状態で治療を行うことをいいます。鎮静中はほとんど眠った状態に近く、術中の記憶もほとんどありません。別途鎮静の費用が必要となりますが、静脈内鎮静を併用して根管治療を行う場合、1回の治療で完了するよう、万全の体制で治療にのぞみます。

嘔吐反射があるため、ラバーダムなしで治療を受けたいのですが可能でしょうか?

残念ながら、ラバーダムなしでは、当院では根管治療をお受けすることはできません。もしも嘔吐反射がありラバーダムの使用に制限がある場合には、静脈内鎮静を行い、眠った状態での精密根管治療が第一選択となります。

根管治療に不安があるので静脈内鎮静を検討していますが、鎮静をすれば問題なく治療ができますか?

はい。静脈内鎮静では、患者様はほとんど眠ったような状態となるため、ほぼストレスなく治療を受けていただけます。鎮静は、年間100件以上の静脈内鎮静を行う経験豊富な麻酔専門医のドクターと連携し、治療を行います。安心して治療を受けていただけるよう、万全の体制で治療にのぞみます。静脈内鎮静下での根管治療の場合、必ず1回で治療を終えることができるよう、治療時間を長めに確保いたします。

MTAセメントを使って治療をしてもらえますか?

歯の状況によっては、MTAセメントを使用して治療を行うことがあります。しかし、すべての歯でMTAセメントを使用するかというと、そうではありません。MTAセメントの適応は、根の中で穴が空いている場合や、根の先が大きく破壊・吸収している場合、外科的歯内療法を行う場合などです。必要があれば使用しますが、必要がない部分にMTAセメントを使用しても成功率が上がることはありません。その歯の状態に応じて最適な治療方法を選択し、治療を行います。

根管充填はどのような方法で何の材料を使いますか?

根管充填は、現在アメリカやヨーロッパで第一選択となっている、Hydraulic condensation法という方法で行います。これは、従来のガッタパーチャポイント(ゴム状の材料)と、バイオセラミックシーラー(生体親和性・封鎖性・抗菌性に優れた材料)を組み合わせた方法であり、従来の方法に比べ、高い成功率と安全性が報告されています。

治療後の経過・予後についてのQ&A

根管治療後の歯はどのくらい持ちますか?

根管治療後の歯がどのくらい持つかという問いには、直接答えはありません。根管治療を行うことで根の先の膿(根尖性歯周炎)が治る確率については多数の報告がありますが、その後どのくらい持つかというのは、根管治療が治るかどうかとは別問題といえます。歯が長持ちするかどうかは、残っている歯質の量に左右されます。つまり、歯がほぼ元の状態でしっかり残っているか、虫歯で大きく歯が失われているかによっても大きく異なります。そのため、「どのくらい持つか」という問いについては、「歯の量による」という答えになります。ただし、根管治療を受けた歯は歯根破折のリスクが高まります。特に奥歯の場合、根管治療後にクラウン(被せ物)を装着することによって、破折のリスクを軽減することができます。

根管治療を受けた歯の寿命はどのくらいですか?

根管治療の寿命は、一概に答えることはできません。一般的によく見かける根管治療の成功率とは、「根の先の膿が治る確率」です。一方で、治った歯が何年もつかという問いは、歯の状態、特に残存歯質量(自分の歯の量や厚みがどの程度しっかり残っているか)に依存します。歯質がしっかりと残っている場合、比較的寿命は長いと考えられます。一方で、残っている歯がほとんどない場合や、厚みが無く非常に薄い歯質しかない場合、根の先の膿は治っても、長期間長持ちしてれるかというと、やや疑問が残るといえます。

なるべく削りたくないのですが、クラウン(かぶせ物)は必ず必要ですか?

はい。臼歯の根管治療後は特に破折リスクが高いため、クラウン(かぶせもの)により全周を覆う処置が必須です。根管治療を受けた臼歯で将来抜歯になる歯の多くが、クラウンが装着されていなかったとの報告もあります。クラウンにするための歯の切削というデメリットはありますが、それ以上に、歯が割れてしまうと致命傷となり、即抜歯となる可能性があります。そのため、根管治療を受けた臼歯においてクラウンは必ず必要といえます。

根管治療後はどんな被せ物(クラウン)が適していますか?

髙井歯科クリニックでは、クラウンはジルコニアクラウンを推奨しています。しかし、クラウンの種類(材質)によっては、予後に大きな差はありません。根管治療後のクラウンで最も重要なことは、以下の二点です。
・歯とかぶせものの隙間から虫歯が再発しないように、精密なかぶせものを作ること
・過度な咬合力(噛む力)が加わらないように、噛み合わせにも配慮したかぶせものを作ること
これらを達成するためには、歯科医師だけではなく、クラウンを作る歯科技工士の存在が欠かせません。歯科技工士がいかに適合や咬合、精度について理解し、熟練の技術を発揮して1本のクラウンを作ることができるかが、歯の予後にとって重要といえるでしょう。

根管治療後、どれくらい待てばまた噛めるようになりますか?

最低でも6ヶ月は噛まない期間が必要です。奥歯に関して、根管治療後の歯は破折しやすい状態となるため、最終的にはクラウン(被せ物)で保護することが再発防止に重要です。しかし、根管治療後すぐに噛む力がかかると、痛みを感じやすくなるだけでなく、根の先の膿が治るスピードも遅延することが報告されています。そのため、髙井歯科クリニックでは、最低でも6ヶ月はあえて噛ませない状態(土台だけの状態)を維持していただくようお話させていただいています。術後6ヶ月時点で完全に治癒していれば被せ物へ移行しますが、6ヶ月では治癒が不十分な場合も多いため、その場合は術後12ヶ月まで噛まない状態で経過観察となります。根の先の治癒がしっかりと確認できた状態で、噛めるように移行していきます。

神経を取ると歯は脆くなると聞いたのですが本当ですか?

いいえ。以前は、歯の神経を取ることで歯は水分を失い、破折しやすくなると言われていました。しかし、現代ではその考えは否定され、神経を取っても歯は脆くならないことが証明されています。一方で、神経を取った歯は破折しやすいことは間違いありません。その理由は、虫歯治療や根管治療に伴い、歯質を切削する必要があり、残存歯質(残っている歯)が薄くなるためです。そのため、根管治療後は適切な補綴処置(かぶせもの治療)が重要といえます。

根管治療をした歯はいつまで様子を見ればよいでしょうか?

根管治療後の経過観察は、術後12ヶ月がひとつの目安といえます。根管治療を受けた歯は、根の先の膿(根尖性歯周炎)が治る場合の9割は、術後12ヶ月程度治癒に時間がかかると言われています。つまり、術後12ヶ月(1年)は少なくとも経過観察が必要といえます。しかし、中にはさらに長期間(2〜4年)治癒のために時間がかかる場合もあります。

根管治療が治らない場合、いつ頃それがわかるのでしょうか?

おおよそ12ヶ月後がひとつの目安です。根管治療直後は、治療に伴う腫れや鈍痛などが生じるため、治療直後の症状は成否の参考にはなりません。様々な判断基準がありますが、最も客観的に評価できるのが、CTでの根の先の病変(黒い影)の大きさの評価です。12ヶ月後にCTを撮影し、術前と術後の根の先の透過像(黒い影)の大きさを比較することで、治癒傾向にあるか否かを判断します。つまり、術後12ヶ月ごろのフォローアップで、もしも根の先の病変が増大していれば、治っていないと判断できます。また、治療後数ヶ月が経過してから大きく腫れる、強い痛みが出現するなども、治っていない可能性があります。しかし、臨床症状だけでは判断が難しいため、レントゲン画像も合わせて治癒しているか否かの判定を総合的に行います。

根管治療をした歯が再発するのはなぜですか?

根管治療が再発するのには、いくつかの理由があります。
・根管治療がうまくいかず、細菌の感染源が取りきれていない(特にラバーダムの未使用)
・封鎖が十分にできておらず、細菌が増えるスペースがたくさん残っている
・虫歯の再発によって、根管内に新たな細菌感染が起こっている
これらはいずれも、質の高い根管治療と補綴(かぶせもの)治療により防ぐことができます。しかし、根管治療の成功率は100%ではなく、ラバーダムとマイクロスコープを使用した精密な治療であっても、再発する可能性を完全に避けることはできません。

もしも治らない場合は、抜歯しかないのでしょうか?

いいえ。根管治療を受けた歯が治らない場合、次の治療法として外科的歯内療法という方法があります。外科的歯内療法は、具体的には歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)と意図的再植術(いとてきさいしょくじゅつ)という二つの治療方法にわけることができます。どちらも、細菌感染が集中している根の先端およそ3mm程度を切除し、感染源を取り除く治療となります。ただし、歯が割れてしまっている場合、外科的歯内療法を行なっても治癒しない可能性が高く、残念ながら将来的な予後は見込めません。

根管治療中にマイクロスコープを使えば、歯が割れているかどうか必ずわかりますか?

いいえ。歯が割れているかどうか、マイクロスコープで見える範囲は精査できますが、見えない部分(根の先端や歯の内部から見えないエリア)の破折は視認することができません。つまり、「見える範囲で割れているかは判断できるが、見えない部分がどうかはわからない」といえます。

根管治療後の経過観察中に気を付けるべきことはありますか?

はい。最も注意していただきたいのが、歯を指や爪で触ったりせず、歯を気にして日々を過ごさないということです。根管治療をした歯は感覚が過敏になるため、他の歯に比べて不快感や違和感が強く生じます。これは、根の先の膿が治っていても起こり得る現象で、治療後6ヶ月程度で不快症状は徐々に軽減します。 この時に、気になるからといって「爪でコンコン叩いて確かめる」「食べ物が当たった時に“やっぱり痛い!”と常に気にする」「いつも歯を気にして生活している」「心配でスマホでずっと歯のことを調べている」という状態続くと、痛みの感覚閾値が低下し、歯がより過敏になる状態が続きます。中には、治療した歯で毎日割り箸をグッと噛んで、感覚を確かめる患者様もおられます。しかし、一度疼痛閾値が低下すると、過敏な感覚が痛みの感覚に変わり、「根の先の膿は完全に消えても(根管治療は成功しても)ずっと痛い」という状態が一生涯続くこともあります。そのような場合はペインクリニックでの投薬治療や、神経節ブロック注射を受けることになります。治療をした歯が気になることがあると思いますが、極力触らず、気にせず、身体の免疫力による治癒を待つことが、治療をした歯で快適に過ごすことができるようになるために重要といえます。

外科的歯内療法についてのQ&A

外科的歯内療法とはなんですか?

外科的歯内療法とは、具体的には歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)と意図的再植術(いとてきさいしょくじゅつ)という二つの治療方法にわけることができます。どちらも、細菌感染が集中している根の先端およそ3mm程度を切除し、感染源を取り除く治療となりますが、その方法が異なります。
歯根端切除術:歯ぐきを開いて、根の先の病変を取り除き、口腔内で直接根の先端部分を取り除く治療方法。歯ぐきの縫合(糸で縫う処置)が必要。
意図的再植術:歯を一度抜歯し、口腔外で根の先端を切除し、再度抜いた部位に戻す方法。縫合は不要。

歯根端切除術と意図的再植術は、どのように使い分けるのでしょうか?

多くの歯は、歯根端切除術が第一選択となります。しかし、第二大臼歯(一番奥の大臼歯)は器具が届きにくいため、意図的再植術の適応となります。また、解剖学的に顎の骨の中の神経が近い場合や上顎洞に近接している場合、歯根端切除術では偶発症のリスクがあるため、そのような場合は前歯や小臼歯であっても意図的再植術が第一選択となります。

歯根端切除術に非常に不安があるのですが、大丈夫でしょうか?

歯ぐきを切開して縫うと聞くと、非常に不安に思われると思います。しかし、実際には通常の歯科治療で受ける量の麻酔で十分奏功するため、術中の痛みはそこまでありません。術後の痛みについても、個人差はありますが、治療当日の食事も可能で、日常生活に支障があるほどの症状がでることは比較的少ないといえます。しかし、どうしても外科処置が不安という場合は、静脈内鎮静という、眠った状態で治療を受ける方法もあります。

歯根端切除術を受ける時に静脈内鎮静も考えているのですが、どんなメリットがありますか?

静脈内鎮静の一番のメリットは、患者様が治療中に眠ったような状態となるため、ほぼストレスなく治療を終えることができるという点です。鎮静は、年間100件以上の静脈内鎮静を行う経験豊富な麻酔専門医のドクターと連携し、治療を行います。安心して治療を受けていただけるよう、万全の体制で治療にのぞみます。また、外科的歯内療法はもちろん、通常の根管治療も静脈内鎮静下で受けていただくことが可能です。静脈内鎮静下での根管治療の場合でも、必ず1回で治療を終えることができます。

歯根端切除術後、腫れや痛みが心配なのですが、どのようなことが起こりますか?

歯根端切除術は外科処置であるため、以下のようなことが起こる可能性があります。
・術後の腫れや痛み(おおよそ3〜4日がピーク)
・術野からの出血
・口唇や頬、顎への内出血
・最終的に治癒した時のわずかな歯肉退縮
これらは、外科治療中の適切なアプローチによって、できる限り軽減することは可能ですが、残念ながら100%回避することはできません。

歯根端切除術をすれば必ず治りますか?

歯根端切除術の成功率は、おおよそ90%程度と言われています。特に、マイクロスコープを使用したマイクロサージェリーでは、従来の肉眼で行う方法よりも、高い成功率が報告されています。しかし、治療の成功率は決して100%ではありません。また、実際に歯ぐきを開けて精査した結果、根にクラック(ヒビ)が確認できることもあります。クラックがある場合、基本的には治癒する見込みが低く、歯の保存を行うか否かについては患者様とのご相談になります。

過去に一度歯根端切除術を受けましたが治りませんでした。何が原因でしょうか?

マイクロスコープが普及していない時代には、歯根端切除術は、「根の先の膿を取り除き、根尖を切る」ということに主軸が置かれていました。しかし、現代の歯根端切除は、根の先の処置、具体的には根尖を切除する角度(従来は斜めに切除していたが、象牙細管が露出し再感染リスクが高いため、垂直に近い角度での切除が推奨)や、切断面の精査、逆根管形成の必要性、そして逆根管充填時のMTAセメントの使用など、成功率をあげるためにすべての手技がアップデートされています。 また、一般歯科や口腔外科では、”根の先の膿を取る”ことを第一に治療が行われています。しかし、歯根嚢胞の原因は根の中の細菌感染であるため、根の中の感染を取り除けば、膿(嚢胞)そのものは身体の免疫力によって治癒します。つまり、歯根嚢胞は根尖性歯周炎の延長であり、歯内療法領域の専門分野であるといえます。

口腔外科での手術を勧められたのですが、根の治療の専門の医院と口腔外科と、どちらで治療を受けるべきでしょうか?

歯根端切除術は、口腔外科と歯内療法どちらの領域でも行われています。それぞれが専門としている領域ですが、「膿を取り除くことを主軸とするなら口腔外科」「歯の問題を治すことを主軸とするなら歯内療法」という両者の違いがあるといえるでしょう。歯根端切除術は根の治療の延長線上にある治療であり、米国やヨーロッパでは、「歯根端切除術は歯内療法(根管治療)の専門領域」とされています。なぜなら、歯根端切除術は単に根の先を切除し膿を取るだけでなく、マイクロスコープ下で根の切断面を精査し、逆根管形成・逆根管充填という特殊な処置が必要だからです。そのため、根の治療の次の一手と考えるのであれば、歯内療法(根管治療)を専門とするクリニックでの治療が望ましいといえるでしょう(これは、口腔外科と歯内療法の専門性の違いであり、優劣があるわけではありません)。

意図的再植術では歯を抜くと聞いたのですが、抜いても元に戻るのでしょうか?

はい。意図的再植術では、一度抜いた状態で根の先の処置を行い、元に戻します。初めの2〜3週間は、歯は安定せず動揺していますが、徐々に抜いた歯が骨の中で生着してくれるため、元に戻ります。治療後特に初めの2週間程度は、意図的再植術を受けた歯では噛まないように注意してください。強い噛む力がかかると、外傷力で抜け落ちてしまう可能性があるため、注意が必要です。

その他のよくある疑問

抜歯が必要になるのはどんな場合ですか?

根管治療や外科的歯内療法を行っても改善しない場合、または歯根破折などで保存が不可能な場合は抜歯となることがあります。抜歯となった場合には、ブリッジや入れ歯、インプラントに加え、自家歯牙移植(親知らずの移植)などが選択肢となります。

自分の歯を残すために根管治療を受けたいのですが、根管治療ができない歯はありますか?

はい。残念ながら、根管治療の適応ではないのは以下の場合です。
・自身の歯がほとんど残っていない
・虫歯があまりにも大きく、歯ぐきの中の骨の中にまで深く進んでいる
・歯が真っ二つに割れている
・精密検査を行なっても、痛みの原因が特定できない
・痛みの原因が歯ではないと推測される場合(非歯原性疼痛)

根管治療が必要かどうかは、どのような検査で判断するのですか?

根管治療が必要かどうかの検査は、これまで根管治療を受けている歯かどうかで異なります。これまでに根管治療を受けていない歯の場合、歯髄(歯の神経)が生きているのか死んでしまっているのかを判断します。具体的には、電気的歯髄診(歯に弱い電気を流すテスト)や、Cold Test(歯に冷たい刺激を与えるテスト)などを組み合わせ、神経の状態を診断します。痛みがある場合にも、このテストによって、神経の炎症が可逆的なのか不可逆的なのか(神経を残せるのかそうでないのか)を判断します。一方で、すでに根管治療を受けている歯の場合、患者様の症状に加え、CTによる画像診断で根の先に膿(病変)があるかどうかや、過去に受けた根管治療の質、虫歯の有無などから、総合的に判断します。

現在痛みがないのですが、神経を取らないといけないと言われました。本当に神経を取る必要があるのでしょうか?

神経が完全に死んでしまっている状態(歯髄壊死)の場合には、根管治療が必要です。多くのケースでは、歯髄に問題があるとズキズキした痛みや強い症状が現れます。しかし、神経が死んでしまった歯のおよそ20%は、痛みなどの自覚症状がないまま進行することがあります。その場合、レントゲン検査で偶然、根の先に膿が見つかったり、歯ぐきから膿が出ることで発覚することがあります。患者様にとっては「痛みがないのに、急に神経を取る必要があると言われた」と感じられる場面です。 ただし、神経が死んだ歯を放置すると、根管内で細菌感染が進み、根の先の膿(根尖性歯周炎)が広がって骨が吸収される恐れがあります。こうしたリスクを避けるためにも、必要と判断された場合には、できるだけ早期に治療を受けることが望ましいといえます。

歯根嚢胞で手術が必要と言われたのですが、本当に手術しか方法がないのでしょうか?

まず、歯根嚢胞かどうかは、レントゲン写真やCT画像では判断することはできません。本当に歯根嚢胞であった場合、以前は「歯根嚢胞は根管治療では治らないので、手術で嚢胞摘出が必要」といわれていました。しかし、現在ではたとえ歯根嚢胞であったとしても、根管治療で治る可能性が示唆されています。 実際、米国歯内療法学会でも、「歯根嚢胞であっても根管治療で治る可能性は十分にあるため、まずは非外科的な根管治療が第一選択である」と明記されています。そのため、歯根嚢胞であっても必ずしも手術が必要というわけではないといえます。

歯髄保存療法と根管治療の違いは何ですか?

歯髄保存療法は神経を残す治療、根管治療は神経(歯髄 しずい)組織を取り除く治療です。歯の状態によって選択が変わります。歯髄保存療法の適応かどうかは、歯の神経の状態の診断から始まります。歯髄の状態が、正常あるいは可逆性歯髄炎であれば、歯の神経を残す生活歯髄保存療法の適応であるといえます。しかし、歯髄の状態が不可逆性歯髄炎あるいは歯髄壊死の場合は、歯の神経の保存は適応外であり、根管治療が必要な状態となります。

他院で根管治療中なのですが、転院して治療を受けることはできますか?

はい、可能です。他院で治療を開始した後に根管治療について調べた結果、難しい治療であるということがわかり、専門医での治療を希望し転院される方も多くおられます。また、根管治療を続けているが痛みが引かない患者様や、根管治療中だが治らないため抜歯と言われた患者様なども多く来院されます。

セカンドオピニオンは受けられますか?

はい。当院ではセカンドオピニオンも対応しています。他院で説明や治療を受けた内容について不安がある場合や、治療方針を比較したい場合にもご相談ください。

根管治療後、定期的な検診は必要ですか?

いいえ。根管治療の場合、治療終了後に定期的な検診は不要です。根管内の感染源を取り除いた後は、身体の治癒を待つために最低でも6ヶ月の経過観察が必要ですが、その間に頻繁に来院する必要はありません。

多くの歯科医院で根管治療の専門と見かけますが、どう判断すればよいのでしょうか。

根管治療の専門医は、歯の神経治療に特化したプロフェッショナルです。患者様にとって、歯医者はどの治療もある程度均等に習得していると思われるかもしれませんが、実は歯の治療は細分化しており、それぞれ得意としている治療が異なります。特に、根管治療は歯科治療の中で1、2を争う細かな治療です。そのため、「精密な根管治療」と一言で言っても、実際に行われている治療が、高いレベルなのかどうか、本当に質の高い治療が行われているかどうかは、患者様にとって判断する術がないともいえます。 そのため、学会が公認している専門医資格を有しているほかに、多くの症例を経験している(実績や症例を実際に公開している)、講演や執筆の経験が豊富、といったことが、患者様が判断できる要因のひとつではないかと考えられます。

破折ファイルがあると言われとても心配です。破折ファイルは除去できるでしょうか?

破折ファイルは、一般的には難症例に該当するものと言われています。ファイルとは、根管治療で使用する細い器具のことですが、非常に細いため、治療中に折れてしまい、歯の内部に残ってしまうことがあります。「破折ファイルが原因で治らない」と説明されることがあるかもしれませんが、基本的に使用する器具は滅菌されているため、破折ファイルが治らない直接の原因になることはありません。しかし、破折ファイルがあると、そこから先の根の中の清掃ができないというデメリットがあります。 髙井歯科クリニックでは、破折ファイルに関するご相談も多くお受けしています。その多くは除去が可能ですが、折れている位置が根の先端の場合、物理的に除去が不可能なこともあります。しかし、除去できないからといって、必ずしも治らないというわけでもありません。根管内全体の細菌数を十分に減らすことができれば、治癒する可能性は十分にあります。

根管治療を受けたまま放置するとどうなりますか?

根管治療を受けて放置することは、推奨できません。根管治療中の歯の多くは、歯の内部が空洞になっており、治療後仮蓋をしている状態です。しかし、長期間(3〜6ヶ月以上)放置すると、仮蓋がはずれ、歯の内部に食べ物が入り込みます。歯の内部に入り込んだ食べ物は歯ブラシでは取り除くことができないため、24時間常に虫歯が進行するリスクにさらされます。根管治療を中断して半年程度で、大きく虫歯が進行し、抜歯となることも少なくありません。そのため、根管治療を中断するリスクは、抜歯につながるリスクが非常に高いといえるでしょう。

乳歯の根管治療は可能ですか?

いいえ。乳歯の根管治療は、歯内療法ではなく小児歯科の専門領域となるため、お受けしておりません。お子様の乳歯の根管治療をご希望の患者様(保護者様)は、お近くの小児歯科医院へのご相談をお願いいたします。

親知らずの根管治療は可能ですか?

基本的には、親知らずの根管治療はできないことが多いといえます。理由は、親知らず自体清掃が困難であり、治療ができたとしても虫歯の再発リスクが高いからです。また、親知らずの根管形態は非常に複雑であり、十分に治療を行うことが難しいこともその理由です。ただし、口腔内が非常に大きく、他の歯と同じように並んで萌出している親知らずで、かつ開口量(お口を開ける大きさ)が十分確保できる場合は、親知らずの根管治療が可能な場合があります。基本的には、親知らずが虫歯になった場合は、抜歯が第一選択といえるでしょう。

根管治療は妊娠中でも受けられますか?

妊娠中期であれば、基本的に治療は可能といわれています。しかし、精密根管治療ではレントゲンを複数撮影する必要がある点(安全性に問題はありませんが)、長時間の治療となるため患者様(母体)にストレスがかかる点、治療にさまざまな薬剤を仕様する点などから、当院では妊娠中の患者様の根管治療はお断りしております。どうしても治療が必要な場合は、大学病院など設備が整った施設での治療をおすすめします。

矯正治療中ですが、根管治療は受けられますか?

はい。矯正中でも根管治療は受けることができます。矯正装置が装着されていても、歯の神経や根の部分の治療には影響しません。ただし、ブラケットやワイヤーの位置によってはラバーダムの着脱や根管治療時のアクセスに工夫が必要になる場合があります。もしも神経が死んでしまった場合や、歯の神経の炎症が進行している場合、放置すると矯正治療そのものの結果に悪影響を及ぼすこともあります。矯正治療中でも、必要であれば早めに根管治療を受けることが望ましいでしょう。また、矯正治療中に歯科治療を行う場合、必ず矯正歯科の担当医からの紹介状が必要です。あらかじめ、矯正担当医へご相談ください。

ラテックスアレルギーなのですが、ラバーダムは大丈夫でしょうか?

はい。ラテックスアレルギーの患者様の場合、一般的なラバーダムではなく、ラテックスフリーのラバーダムを使用して治療を受けていただくことができます。治療を受けられる前に、歯科医院へご相談ください。

根管治療を受けるか、抜歯してインプラントにするか悩んでいるのですが、どちらがよいでしょうか?

歯を残すために根管治療を受けるか、歯を抜いてインプラントにするか、どちらを選ぶべきか患者様により異なるため、一概にはいえません。成功率の点では、根管治療の成功率は再根管治療の場合およそ70%であるのに対して、インプラントの10年生存率は90%以上と高い数値が報告されています。つまり、「受けた治療がうまくいく確率」を重視するのであれば、インプラントの方がはるかに成功率は高といえます。しかし、当然ながらインプラントは自分の歯の代わりではありません。自身の歯を残すことを優先するのであれば、根管治療を受けた方がよいといえるでしょう。

根管治療に関する不安や疑問は人それぞれ異なります。ここで取り上げた以外にも気になる点があれば、ぜひ当院のコラムや症例紹介をご覧ください。

ご予約・初診のご案内

大阪の髙井歯科クリニックは、日本歯内療法学会専門医として、数多くの根管治療を手掛けています。一般的な歯科医院では対応できないような難症例であっても、ぜひご相談ください。

ご予約はWEB・電話で受付にて受け付けております。

監修者情報

院長 髙井 駿佑

経歴

  • 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
  • 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
  • 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
  • 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
  • 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
  • 2023年 髙井歯科クリニック 開院

資格

  • 日本歯内療法学会 専門医
  • 米国歯内療法学会 会員
  • 日本臨床歯周病学会 認定医
  • 日本外傷歯学会 認定医
clinic

〒561-0872
大阪府豊中市寺内2丁目13-1 緑地ステーションビル1F

06-4867-4850 WEB予約