根管治療コラム

こんにちは。豊中市緑地公園の歯医者(歯科医院)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。

今回は、根管治療が治らない原因として、繰り返し治療を受けるデメリットについてお話いたします。

繰り返しの治療には2つの意味合いがあります。

  • ① 過去に治療を受け、一度は治療を終えたものの、数年後に再発したもの
  • ② 1本の根の治療のために、数十回以上治療を継続して受け続けているもの

上記のどちらであっても、根管治療を治すという観点からは、できれば避けたい状況です。

治療をすればするほど成功率は下がる

根の治療は、一般的に再発率(一度治療しても、数年後にまた治療が必要になる確率)が高いと言われています。

海外の文献によると、初めて根の治療を受けた歯の成功率に比べて、再治療(過去に一度治療を受けた歯の根の治療)の成功率は、10%ほど低下することが報告されています。

さらに、日本の根管治療の成功率は諸外国に比べて非常に低く、3度目、4度目の根管治療となると、成功率はますます低下してしまいます。

一本の歯の治療を何十回も受けることのデメリット

根管治療は、根の中の細菌を減らす治療であり、基本的には、2回から3回程度の治療で終えることが望ましいといえます。

なぜなら、何度も治療を行うことで、外から細菌が歯の内部に侵入するリスクが上がり、また、治療が長期にわたることで、歯の破折のリスクも上昇するからです。

また、長期(数か月)にわたり治療が続くと、歯が過敏になり、閾値(痛みや不快感を感じる境界値)が低下し、治療後も感覚異常が起こりやすくなります。

根管治療は、本来であれば成功率が高く、頻繁に再発したり、また治療に何十回もかかるというものではありません。

しかし、日本の保険制度の特徴から、上記のような状況に陥りやすい傾向にあります。

できるだけ初めにしっかりとした治療を受けることが、歯の健康のためにはとても重要です。

監修者情報

院長 髙井 駿佑

経歴

  • 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
  • 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
  • 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
  • 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
  • 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
  • 2023年 髙井歯科クリニック 開院

資格

  • 日本歯内療法学会 専門医
  • 米国歯内療法学会 会員
  • 日本外傷歯学会 認定医
clinic

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