海外に住んでおり、日本への帰国に合わせて来院した４０代男性患者様｜海外在住者の短期帰国に合わせた精密根管治療

はじめまして。髙井です、よろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。半年前に日本で自由診療の根管治療を受けた歯だと伺いました。ただ、痛みが続いているとのことで、現在の状態をお伺いしてもよいでしょうか。

わかりました。ありがとうございます。まずは一度、歯を詳しく検査していきますね。

お疲れ様でした。検査をしたところ、根の治療自体は根の先あたりまでしっかりと行われているようです。現時点でわかる範囲では、歯が割れていることはなさそうです。ただ、すでにかぶせものを装着されていますね。これはセラミックのかぶせものでしょうか。

ありがとうございます。根管治療後は、歯の痛みや不快感が落ち着くまでに半年ほど経過観察の期間が必要です。そのため、基本的には根管治療後すぐに噛むことはあまりおすすめしていません。ちなみに、前の先生からはこの歯についてはどのようにご説明されていましたか？

そうだったのですね。かぶせものの中は実際のところははずしてみないと詳しくはわかりません。ここで選択肢は２つあります。ひとつは、セラミックをはずして通常通りの根管治療を行う方法です。この場合、まずある程度歯を切削する必要があるというデメリットがあります。また、すでに根の中は十分に処置されているため、改善する”余地”があまりないともいえます。もうひとつの方法は、外科的に根の先端部分を切除する、外科的歯内療法、その中でも歯根端切除術という方法です。

それぞれ一長一短ですが、半年前にラバーダム装着下で根管治療を受けている点、根の先端まで十分治療が行われている点、セラミックが装着されている点などから、どちらかというと歯根端切除術の方が適応かと思います。ただ、通常の根管治療を行い、もしそれで治癒しなければ外科を行う、という方法も可能です。

治療後については、おおよそ1週間程度は鈍い痛みがあるかと思いますが、多くは痛み止めを服用していただきコントロール可能かと思います。また、歯ぐきを糸で縫うので、５−７日後に一度抜糸だけお越しいただく必要があります。本日治療、1週間後抜糸、その後は半年〜１年後にフォローアップでみさせていただければと思います。

また、歯ぐきを開いて処置を行いますが、この時に根っこにヒビが入って割れている場合、治療を行っても治る可能性が極めて低いため、基本的には治療の続行は不可能と思っていただいた方がよいかと思います。うまくいかない可能性を十分理解いただいた上で治療の継続を希望される方もいらっしゃいますが、やはり経過をみていくと大きく割れてくるため、あまりおすすめできません。

それでは、今から治療を行っていきましょう。麻酔は通常通り、歯科治療で行う麻酔と変わりありません。概ね１時間程度で完了しますので、よろしくお願いいたします。