こんにちは。豊中市緑地公園の歯医者(歯科医院)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。
今回は、前歯をぶつけた時の対応についてお話いたします。
前歯を強くぶつけてしまったら
転倒したり硬いものがぶつかったりしたときに、前歯を強く打ってしまうことがあると思います。
ぶつける程度にもよりますが、以下の順に歯へのダメージは大きくなります。
- ぶつけたが歯は揺れておらず欠けてもいない
- 一部歯が欠けている
- 歯が揺れている
- 歯が大きく欠けている
- 歯が抜け落ちてしまった
前歯をぶつけることを”前歯部の外傷”といいますが、どの程度のダメージかによって対処法はことなります。
今回は、”ぶつけて一部歯が欠けている、あるいは揺れているが、大きく歯が欠けているわけではない状況”にを想定したいと思います。
前歯をぶつけると歯には何が起こる?
歯は、根の先端に小さな穴があいており(根尖孔といいます)、身体と歯の中は血管や神経の管が交通しています。
歯を強くぶつけると、この交通している血管にダメージが加わり、歯の内部への血液供給が遮断される可能性があります。
歯の中の神経は、血管から栄養を得ているので、血液供給が遮断されると、神経が死んでしまい、根管治療が必要となることがあります。
一時的に神経が死んでしまっても、元に戻る可能性も
しかし、むし歯ではなく外傷に限っては、一度神経が死にかかっても(検査で正常な反応が得られなくても)、血流が回復し、元の状態に戻る可能性もあります。
術後およそ3ヶ月から半年は、注意深い経過観察が必要です。
神経を取る必要があるサイン
以下のような状況であれば、受傷後に根管治療が必要となる可能性があります。
- いつまでも咬んだ時の痛みがおさまらない
- 歯ぐきの腫れや膿がある
- 歯が黒く変色している
また、前歯をぶつけることで、歯にヒビ(クラック)が入ったり、ダメージによって将来歯の根の表面が吸収する可能性もあります。
ぶつけてしまった場合には、早めに歯科医院を受診し、的確な検査を行うことをおすすめいたします。
監修者情報

院長 髙井 駿佑
経歴
- 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
- 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
- 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
- 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
- 2023年 髙井歯科クリニック 開院
資格
- 日本歯内療法学会 専門医
- 米国歯内療法学会 会員
- 日本外傷歯学会 認定医