こんにちは。豊中市の歯科医院(歯医者)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。
今回は、根管治療開始後の通院回数についてお話いたします。
目次
1本の歯の治療に数か月通うことは、あまりお勧めできません
患者様から、”週に1回、数か月も根管治療のために通っているが、なかなか治療がすすまない”というご相談を受けることがあります。
中には、週1回×1年(40回以上)も通い続けているという患者様もいらっしゃいます。
お話を伺うと、「痛みが取れない、違和感が取れないため、ずっとお薬の交換をしている」とおっしゃられます。
では、このように何十回も通うことは治療の面で本当に必要なのでしょうか。
回数をかければ根の中が綺麗になるわけではない
根の治療は、根の中の清掃をして細菌を減らし、外部からの細菌侵入を防ぐために封鎖する治療です。
では、回数をかければ根の中が綺麗になるかというと、決してそうではありません。
根管治療に対してしっかり時間を割いて、適切な環境で治療を行えば、おおむね2回から3回の治療回数で根の中の清掃は完了します。
治療が長引けば長引くほど、外部からの感染リスクが高まる
どのような器具を使用しても、根の中の細菌を100%取り除くことは不可能です。
しかし、一定の数まで細菌を減らせば、体の免疫力で根の問題は解決することができます。
また、薬の交換を複数回行っても、細菌の減少には寄与しないことが明らかになっているだけではなく、治療期間が延びるほど、外部からの感染リスクが高まり、問題が複雑化する可能性があります。
よって、”根の中を綺麗にし終わったら早めに封鎖して経過を見る”ことが必要です。
理想的には2回、少なくとも3回で治療を終えることが望ましい
治療の回数は、2回あるいは3回で終えることが理想的です。
しかし、自費診療であれば一回の治療時間を十分確保(90-120分)できるため、少ない回数で治療を終えることができます。
その一方で、保険診療ではどうしても確保できる時間に限界(40-60分)があります。
また、歯の状態によっては、治療回数がさらにかかる場合もあります。
上記の内容については、歯の状態によって異なる可能性があります。
ご不明点等ございましたら、どうぞお気軽にお尋ねください。
監修者情報

院長 髙井 駿佑
経歴
- 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
- 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
- 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
- 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
- 2023年 髙井歯科クリニック 開院
資格
- 日本歯内療法学会 専門医
- 米国歯内療法学会 会員
- 日本外傷歯学会 認定医