こんにちは。豊中市緑地公園の歯科医院(歯医者)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。
今回は、根管治療を行った歯の痛みについてお話いたします。
根管治療とは、根の中の細菌を減らす治療であり、家を建てる時の基礎工事にあたる治療です。
一般的に、根管治療は”回数がかかり””痛みが長引きやすい”と言われています。
では、根管治療を受けた歯の痛みはどの程度続くものなのでしょうか。そもそも痛みが出ること自体、何か問題が起こっているのでしょうか。
目次
根管治療直後は、治療がうまく進んでいても痛みや違和感が出やすい
根管治療を受けた直後の2-3日は、痛みや違和感が出やすい状態となります。
これは、治療が問題なく進んでいる場合でもみられる現象です。
様々な理由が推測されますが、その中のひとつとして、治療に伴って歯の中に生息している細菌のバランスが変化することが挙げられます。
しかし、多くの場合は、安静にすることで自然と痛みや違和感は消失してきます。
痛みが強い場合には、痛み止めを服用してもかまいません。
治療期間中に痛みが出やすい条件
他院から転院してこられた患者様で、根管治療途中で痛みが強い歯の特徴をまとめると、以下のようなものが挙げられます。
- ラバーダム防湿をしていない
- むし歯が残っている
- 非常に強い薬を使っている
- 咬んだ時に反対側の歯(下の歯の治療中なら上の歯)と強く当たっている
上記に該当する場合には、根管治療を一からしっかりとやり直すことをおすすめしています。
治療終了後も、咬む感覚は他の歯と若干異なる場合が多い
根管治療を受けた歯は、、歯の内部を多少なりとも切削されています。
そうすると、噛んだ時に若干”響く感じがする””他の歯と感覚が違う”ということが起こりえます。
しかし、基本的に”痛みがなく日常生活に支障なく機能している状態”であれば、その歯の状態は正常であると判断します。
根管治療を受けた歯の感覚が戻るためのひとつの指標は6か月後
過去の研究では、根管治療を受けた歯の感覚がある程度落ち着くまでに、およそ6ヶ月の期間が必要であったと報告されています。
もちろん、治療直後に何の問題もなく食事ができる状態となることもありますが、鈍い違和感や不快感が強い場合、6ヶ月の経過観察が必要となります。
根管治療を受けた歯は、徐々に時間経過とともに症状は収束していきます。
特に、治療後6ヶ月という目安は、”治療後いつまで痛みや違和感が続くのか””いつかぶせ物を装着するのか”の答えの指標となります。
しかし、治療直後に明らかな痛みや腫れが起こっている場合には、根管治療がうまく奏功していないと判断し、次の処置(外科的治療 or 抜歯)を選択する必要があります。
現在感じている感覚が、正常の範囲内なのか、それとも再治療が必要なのか、この判断は歯科医師側の経験が求められます。
当院では、過去に治療を受けた歯、あるいは現在治療途中の歯に関するご相談を多数いただいております。
歯の長引く痛みや根の治療の再発でお悩みの患者様は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
監修者情報

院長 髙井 駿佑
経歴
- 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
- 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
- 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
- 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
- 2023年 髙井歯科クリニック 開院
資格
- 日本歯内療法学会 専門医
- 米国歯内療法学会 会員
- 日本外傷歯学会 認定医