根管治療コラム

こんにちは。豊中市の歯科医院(歯医者)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。

日本の根管治療の成功率はとても低い

前回のブログでは、海外と日本の成功率の違いについてお伝えいたしました。

日本の根管治療の成功率は、30-50%と非常に低く、10本中7本は再治療が必要となることが明らかになっています。

では、なぜこんなにも成功率が低いのでしょうか。

その理由としては、以下のようなものが考えられます。

  • ラバーダム防湿のように、根管治療に不可欠な治療環境が整っていない
  • 難しい歯であっても、専門医へ紹介するという習慣がない
  • 根の治療は特に細かな処置であるため、苦手意識がある歯科医師が多い
  • ラバーダム防湿のように、根管治療に不可欠な治療環境が整っていない

多くの歯科医院では、根管治療に不可欠なラバーダム防湿を行っていません。

これは、日本の保険制度上、根管治療の報酬が非常に低いため、時間や材料をひとつの根の治療に十分かけることが難しいことも関係しています。

一方で海外では、根管治療を受けるための費用は非常に高額です。その分、治療のための環境設備や材料、1回の治療時間を十分かけることができます。

日本の保険診療では良い治療が受けられないわけではありませんが、さまざまな制約の結果が、根管治療の成功率の低さとして表れています。

難しい歯であっても、専門医へ紹介するという習慣がない

日本の多くの歯科医院は、”一般歯科医院”といい、多くの治療を幅広く行っています。

もちろん、難しい親知らずの抜歯や、矯正治療など、専門分野の先生に紹介することもあります。

しかし、根管治療は日常的に行う治療であるため、難しい歯を根管治療の専門医(歯内療法の専門医)に紹介するという習慣があまりありません。

海外では、治療に関わる訴訟や治療費の関係から、難しい歯(奥歯の治療、特に再治療など)に関しては専門医へ紹介する文化が根付いています。

基本的に全ての治療を一人で行う日本の根管治療に対して、海外では専門家と協力しながら治療を進めるので、結果としてトータルでの高い成功率に繋がっています。

根の治療は特に細かな処置であるため、苦手意識がある歯科医師が多い

一人の歯科医師が全ての分野の治療に深く精通することは、非常に難しいといえます。

どの歯科医師(歯科医院)でも、得意としている治療と、あまり得意としない治療が必ずあります。

中でも根管治療は、”見えない””器具が入らない”などの理由から、比較的苦手としている歯科医師が多いのが現状です。

監修者情報

院長 髙井 駿佑

経歴

  • 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
  • 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
  • 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
  • 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
  • 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
  • 2023年 髙井歯科クリニック 開院

資格

  • 日本歯内療法学会 専門医
  • 米国歯内療法学会 会員
  • 日本外傷歯学会 認定医
clinic

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