論文紹介

タイトル

Efficacy of several concentrations of sodium hypochlorite for root canal irrigation

根管洗浄における次亜塩素酸ナトリウムの各種濃度の有効性

目的

抜去歯を用いて、ヒポクロの濃度と組織溶解性の関係について評価すること

Materials & Methods

矯正により抜歯した上顎左右2番のペア抜去歯

5.25%、2.5%、1.0%、0.5%NaOCl
27GのOpen Endedで30ml

機械的拡大あり群となし群それぞれに使用
(拡大あり群はWL#50まで拡大)

洗浄針または超音波装置で洗浄

走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて中部根管の器具処理面および非処理面を観察。

Results

▼すべての濃度のNaOCl:いずれの濃度でも、使用した洗浄装置に関係なく、根管内の緩いデブリを効果的に除去。

▼機械的拡大あり群:どの濃度でも、スメア層と一部の象牙細管が露出した状態が観察された。

▼機械的拡大なし群:5.25%、2.5%、1.0%のNaOClでは、歯髄残留物および前象牙質が完全に除去された。0.5%のNaOClでは、大部分の歯髄残留物および前象牙質が除去されたが、一部のフィブリンが表面に残存した。

Conclusion

1%以上のヒポクロは、優れた有機質溶解能を示すが、1%以上では差なし
0.5%のヒポクロは、組織溶解能力は劣る→濃度が影響する

コメント

本研究では、組織溶解性の点からは1%以上の濃度が望ましいとの結論でした、

論文中でも、「0.5%以下のNaOCl濃度では組織除去効果が不十分である可能性がある。一方、1%以上のNaOClであれば、濃度や活性化によらず、同等の組織溶解効果が期待できる。組織溶解を目的とする場合、最低でも1% NaOClの使用が望ましいと考えられる。」と述べられています。

監修者情報

院長 髙井 駿佑

経歴

  • 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
  • 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
  • 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
  • 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
  • 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
  • 2023年 髙井歯科クリニック 開院

資格

  • 日本歯内療法学会 専門医
  • 米国歯内療法学会 会員
  • 日本外傷歯学会 認定医
clinic

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