セカンドオピニオン事例

ご来院までの背景

大学病院にて根管治療を半年以上続けているものの、なかなか治らないためかかりつけ歯科医院へ相談したところ、より高度な治療を提案され当院へご紹介いただいた患者様です。大学病院では、「リーマーという治療に使う器具が中で折れており、それが除去できないためなかなか治療が進まない」「治らなければ抜くしかない」と説明を受け、治療を続けておられました。

実際のやりとり

はじめまして。髙井です、よろしくお願いいたします。今回、左下の小臼歯の治療を⚫️⚫️大学病院で受けられていると伺っています。半年以上治療を続けているとのことですが、現在どのような状態かお聞かせいただけますか?

はい。初めはかかりつけの歯科から、「難しい根管治療なので大学病院へ紹介する」と言われ、大学病院で根管治療を開始しました。それから半年以上、月に1回程度通っていますが、なかなか治らないとのことでした。再度かかりつけの歯科医院へご相談させていただいたところ、髙井歯科クリニックさんをご紹介され、こちらに来させていただきました。

ありがとうございます。治療が難しく治らないことについて、具体的にどのようにお話があったのでしょうか。

痛みなどはそこまでないのですが、歯の中で治療に使うリーマーという器具が折れていると言われました。それを取らないと治らないそうなのですが、なかなか取れず、最近は「あまり治療を続けるのもよくないので、これで治療を終えて、治らなければ抜くしかないかもしれない。外科的な方法で取り除くこともできるが、それをやったから治るかというとやってみないとわからない」と説明を受けました。

そうだったのですね。確かに、撮影したレントゲンやCTを拝見すると、歯の中に器具のようなものが残っている状態が疑われます。一般的には、破折ファイルといわれ、治療で使用する細い器具(ファイル・リーマー)が折れて残っている状態を指します。レントゲンだけでは本当にこれがファイル・リーマーなのかはわかりませんが、現在治療中でそのようにご説明を受けているのであれば、これが破折ファイルであることはおそらく間違いないかと思います。

やっぱり、器具が折れたままだと治らないのでしょうか。

器具自体は滅菌して使用されるものなので、それ自体に病原性があり悪さをしているということはありません。ただ、この大きさのファイルだと、折れている周辺の根の中の清掃が十分にできないため、それによって治癒しないことも考えられます。「絶対に取り除かないと治らない」というわけではありませんが、現在のレントゲン写真からは、治すためには取り除いた方がよいと思います。

大学病院では、先生が一生懸命取り除こうとしてくれていた様子でしたが、難しいみたいでした。無事に取れますでしょうか。

実際のところは、治療してみないとなんともいえませんが、この状態であれば比較的浅い部分で折れているようですし、取り除くための器具も届きそうなので、除去できる可能性は高いと思います。しかし、根の中は複雑な形をしているため、物理的に取り除くことが不可能な場合もあります。その場合には、触れられる部分を最大限綺麗にし、根の中の細菌を極力減らすことで対応する形となります。

ありがとうございます。なんとか自分の歯を残したいと思っているので、よろしくお願いいたします。

わかりました。よろしくお願いいたします。
あとは、実際の歯の内部も見てみて、歯そのものが割れてしまっている場合や、大きな問題が起こっている場合には、治療そのものが行えない可能性もあります。

わかりました。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

器具が折れている、と聞くと、とても不安に思われるかと思います。ただ、⚫️⚫️様の今の状態であれば、しっかりと治療をしてあげれば取り除ける可能性はありますし、仮に取り除けなくても治ってくれる可能性も十分にあります。次回から本格的に治療を開始していきますので、よろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

監修者情報

院長 髙井 駿佑

経歴

  • 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
  • 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
  • 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
  • 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
  • 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
  • 2023年 髙井歯科クリニック 開院

資格

  • 日本歯内療法学会 専門医
  • 米国歯内療法学会 会員
  • 日本外傷歯学会 認定医
clinic

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