根管治療中、薬の交換はいつまで行うべき?
- 2023年7月3日
- 根管治療(歯内療法)
根管治療中、薬の交換はいつまで行うべき?
こんにちは。豊中市緑地公園の歯科医院(歯医者)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。
今回は、根管治療における薬の交換についてお話いたします。
薬を交換する目的は、根の中の細菌を減らすため
根管治療は、根の中の細菌を減少させる治療です。
様々な方法を用いて細菌減少を行いますが、そのひとつの方法として、薬を根の中に作用させる方法が挙げられます。
複数回の薬の交換に、あまり効果はない
根管治療で使用する薬のゴールドスタンダートは、水酸化カルシウム製剤というペースト状の薬です。
この薬は、”触れた部分に作用する”ものであり、薬が触れていない部分には効果がありません。
また、根の中はまっすぐな直線ではなく、曲がっていたり分岐していたりと、様々な形態をしています。
よって、物理的に薬が触れられない領域があり、このような部位に潜んでいる細菌には、何度薬の交換をしても作用することはありません。
また、同じ部位に複数回薬の交換を行っても、より効果が高いということは無く、一回薬を作用させるのと同じ結果しか得ることができません。
薬の作用はあくまで補助的なもの
根管治療においては、薬はあくまで補助的な役割です。
そして、根の中の細菌を減らすためには、根の内部の汚染している部分を取り除き、しっかりと薬液で洗い流すことが重要です。
よって、基本的には根の中を綺麗にした後は、複数回の薬の交換を行わず、早めに根の治療を終えることが理想的です。
薬の交換をし続けることのデメリット
何度も薬を交換すると、根の中に細菌が入り込む機会がより多くなります。
治療中は、ラバーダムというゴム状のシートをかけて根管治療を行いますが、治療期間が長引けば長引くほど、根の中に細菌が入り込み(リーケージ)、新たな感染を起こすリスクが上昇します。
すると、なかなか治らない、根管治療終了後も痛みや違和感が引かない、といった状態につながりやすくなります。
根管治療は、できるだけ回数を少なく行うことが望ましい治療
ただし、そのためには治療のための一定の時間の確保が必要です。
当院では、自費診療で行う根管治療では90分から120分の治療時間を確保し、細菌感染に徹底的に配慮した治療を行っています。
概ね、根管治療は2回あるいは3回で治療を終了します。
現在根の治療で数か月間通っておりなかなか治らない患者様、治療を続けているがいつ終わるのか不安な患者様は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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