こんにちは。豊中市緑地公園の歯医者(歯科医院)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。
今回は、根管治療が治らない原因の五つ目として、残っている歯の量についてお話いたします。
根管治療はできても、その後のかぶせものの治療ができない歯
1本の歯の治療を行う時に、残っている歯の量が多いか少ないか(しっかり歯があるか、それとも根っこしか残っていないか)は、非常に重要な要素です。
特に、かぶせものの治療を行う時には、長期的にかぶせものを維持するために、一定以上の歯の量が必要となります。
歯がほとんど残っていないような歯に、無理に土台を立ててかぶせ物を装着しても、咬む力に抵抗できず、かぶせ物が脱離してしまい、長期的に維持できなくなります。
残っている歯が薄いと、クラックの原因に
残存している歯の量(残存歯質)が少ないあるいは薄い場合、咬む力によって、前回のブログでお伝えした歯のクラックが起こりやすくなります。
クラックが起こると、その隙間から細菌が侵入し、根管治療を行っても治らないという状態につながりやすくなります。
隔壁という根管治療の前処置が行えない
根管治療を行う時には、隔壁(かくへき)と呼ばれる、レジンによる樹脂の壁を歯に作ります。
しかし、むし歯が大きく、歯が歯ぐきよりも深くまで失われている場合、隔壁をしっかりと歯に接着させて立てることが困難になります。
これにより、そもそも根管治療を十分に行うことができず、無理に治療を進めた場合、不十分な隔壁の隙間から細菌が侵入し、根管治療が治らないという可能性があります。
根管治療は根の中に対する治療ですが、根の中だけ綺麗にすればよいわけではありません。
治療を受けるその歯が長期的に維持できるのかとういう点も重要となります。
監修者情報

院長 髙井 駿佑
経歴
- 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
- 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
- 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
- 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
- 2023年 髙井歯科クリニック 開院
資格
- 日本歯内療法学会 専門医
- 米国歯内療法学会 会員
- 日本外傷歯学会 認定医