背景と経過
2週間前に、他院で左上7番(一番奥の歯)の治療を受け、その後も痛みが継続しているとのことで来院されました。来院時には痛みが強く、自発痛(何もしなくてもズキズキと感じる痛み)が生じており、神経が炎症を起こしている状態と診断しました。歯の神経の保存は不可能であり、根管治療を行い、まずは痛みを取り除くことを第一優先に治療を行うことになりました。
症例紹介




Drからのコメント
左上7番には虫歯治療が行われていましたが、レントゲン所見からも、元々の虫歯がかなり大きかったことが推測されます。虫歯が大きい場合でも、歯の神経を保存する治療(生活歯髄保存療法)がおこなえる可能性があります。しかし、来院時にはズキズキとした強い痛みがあり、検査結果からも、不可逆性歯髄炎と診断し、根管治療が必要な状態でした。初回の治療後、強い痛みはすぐに消失したとのことで、2回のアポイントで根管治療を終えました。治療完了後は6ヶ月の待機期間を経たのち、セラミッククラウンを装着し、治療は完了となりました。
治療詳細
主訴 | 虫歯の治療を受けてからズキズキ強い痛みがある |
治療内容 | 左上大臼歯の精密根管治療 |
治療期間 | 2回(2週間) |
費用 | 154,000円(税込) |
リスク・副作用 | 根管治療を行った歯は、不快症状が数ヶ月継続する可能性があります。また、術直後は痛みが出る可能性があります。症状の軽減には、およそ半年から1年程度の期間が必要です。臼歯の根管治療歯は歯の破折リスクが上がるため、クラウンによる補綴治療が推奨されます。 |
この患者様のセカンドオピニオン時のやりとりについては下記をご覧ください。
虫歯の治療後からズキズキ痛みが続く患者様|虫歯治療後の歯髄炎の原因と治療法
監修者情報

院長 髙井 駿佑
経歴
- 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
- 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
- 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
- 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
- 2023年 髙井歯科クリニック 開院
資格
- 日本歯内療法学会 専門医
- 米国歯内療法学会 会員
- 日本外傷歯学会 認定医