こんにちは。豊中市緑地公園の歯科医院(歯医者)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。
前回は、歯の神経を取らない方がよい理由についてお話いたしました。今回は、歯の神経治療を行った後のかぶせ物についてです。
歯の神経を治療した後の選択肢
残念ながら歯の神経の治療を行った場合、その歯はどのような治療で咬めるようにするべきでしょうか。
レジン充填(白いつめもの)、インレー(部分的なつめもの)、クラウン(全周かぶせるかぶせ物)など、いくつか選択肢があります。
基本的にはクラウンが推奨
根管治療後に最も懸念すべきは、歯の破折(垂直性歯根破折)です。
破折が起こってしまうと、いくら根の治療がうまくいっても、即座に抜歯が必要となることもあります。
そして、根管治療で歯の内部を多少なりとも削ることで、歯の破折リスクは上昇してしまいます。
そのような観点から、特に奥歯(犬歯よりも後方の歯)は、根管治療後の修復治療はクラウンを第一選択にしています。
クラウンとインレー(あるいはレジン充填)では、根管治療を行った歯の破折リスクに大きな差が生じます。
アメリカの大規模研究では、根管治療後の予後について、かぶせ物を入れていたか否かで破折リスクに6倍の差が生じたとも報告されています。
前歯で歯がしっかり残っている場合はレジン充填
根管治療歯の多くは、歯の破折リスクを考慮してクラウンを第一選択としますが、「前歯で」「天然の歯の部分がしっかり残っている」場合のみ、レジン充填(白い樹脂の詰め物)で修復を終える場合もあります。
ただし、実際には根管治療が必要となる歯の多くは、むし歯が重度に進行している場合も多く、クラウンでの修復が必要な状態が多いです。
監修者情報

院長 髙井 駿佑
経歴
- 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
- 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
- 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
- 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
- 2023年 髙井歯科クリニック 開院
資格
- 日本歯内療法学会 専門医
- 米国歯内療法学会 会員
- 日本外傷歯学会 認定医