根管治療コラム

こんにちは。豊中市緑地公園の歯科医院(歯医者)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。

今回は、根管治療における薬の交換についてお話いたします。

薬を交換する目的は、根の中の細菌を減らすため

根管治療は、根の中の細菌を減少させる治療です。

様々な方法を用いて細菌減少を行いますが、そのひとつの方法として、薬を根の中に作用させる方法が挙げられます。

複数回の薬の交換に、あまり効果はない

根管治療で使用する薬のゴールドスタンダートは、水酸化カルシウム製剤というペースト状の薬です。

この薬は、”触れた部分に作用する”ものであり、薬が触れていない部分には効果がありません。

また、根の中はまっすぐな直線ではなく、曲がっていたり分岐していたりと、様々な形態をしています。

よって、物理的に薬が触れられない領域があり、このような部位に潜んでいる細菌には、何度薬の交換をしても作用することはありません。

また、同じ部位に複数回薬の交換を行っても、より効果が高いということは無く、一回薬を作用させるのと同じ結果しか得ることができません。

薬の作用はあくまで補助的なもの

根管治療においては、薬はあくまで補助的な役割です。

そして、根の中の細菌を減らすためには、根の内部の汚染している部分を取り除き、しっかりと薬液で洗い流すことが重要です。

よって、基本的には根の中を綺麗にした後は、複数回の薬の交換を行わず、早めに根の治療を終えることが理想的です。

薬の交換をし続けることのデメリット

何度も薬を交換すると、根の中に細菌が入り込む機会がより多くなります。

治療中は、ラバーダムというゴム状のシートをかけて根管治療を行いますが、治療期間が長引けば長引くほど、根の中に細菌が入り込み(リーケージ)、新たな感染を起こすリスクが上昇します。

すると、なかなか治らない、根管治療終了後も痛みや違和感が引かない、といった状態につながりやすくなります。

根管治療は、できるだけ回数を少なく行うことが望ましい治療

ただし、そのためには治療のための一定の時間の確保が必要です。

当院では、自費診療で行う根管治療では90分から120分の治療時間を確保し、細菌感染に徹底的に配慮した治療を行っています。

概ね、根管治療は2回あるいは3回で治療を終了します。

現在根の治療で数か月間通っておりなかなか治らない患者様、治療を続けているがいつ終わるのか不安な患者様は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

監修者情報

院長 髙井 駿佑

経歴

  • 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
  • 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
  • 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
  • 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
  • 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
  • 2023年 髙井歯科クリニック 開院

資格

  • 日本歯内療法学会 専門医
  • 米国歯内療法学会 会員
  • 日本外傷歯学会 認定医
clinic

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