セカンドオピニオン事例

ご来院までの背景

いつも定期検診で通院している歯科医院にて、前歯の歯茎から膿が出ていると指摘され、根管治療が必要であると説明を受けた患者様です。痛みがなく、本当に治療が必要なのか、専門医の先生に見てもらいたいとのことで当院を調べて来院されました。

実際のやりとり

こんにちは。歯科医師の髙井です。どうぞよろしくお願いいたします。かかりつけの先生から、神経の治療が必要といわれたとのことですが、まずお話しから伺わせていただいてもよいでしょうか。

いつも行っている歯科医院で、定期検診中に「根の先に膿が出ている」と言われ、神経の治療をすすめられました。確かに歯茎のところが腫れていて膿も出ますが、痛みが全くありません。神経を取る必要があるのかどうかと、ネットで難しい治療と見たので、やるなら専門の先生にお願いしたいと思っています。

ありがとうございます。それでは一度、検査から初めていきますね。

(口腔内の検査とレントゲン検査)

お疲れ様でした。まず、歯の神経の反応をテストしたのですが、前歯の膿が出ている歯は全く反応がなく、いわゆる歯の神経が死んでいる状態でした。CT画像でも、根の先に骨が溶けている像が見られます。そのため、かかりつけの先生がおっしゃっていたように、歯の神経の治療が必要という判断は間違っていないと思います。

そうだったのですね…痛みがないのに歯の神経が死ぬことはあるのでしょうか。

一般的には、歯の神経の炎症に伴い、痛みが出ることが多いです。しかし、2−3割程度で、痛みが全くないまま神経が死んでしまうこともあります。今回の⚫️⚫️さんの場合は、それに該当すると思われます。

このままおいておくと、やはりよくないのでしょうか。

そうですね。今は痛みがないかと思いますが、今後根の先の病変が大きくなると、痛みや歯茎の腫れが強くなる可能性があります。また、根の先の膿が大きいと、治療をしても治るのに時間がかかります。最終的に治療をするか否かは患者様にお決めいただいていますが、治療が必要か不要かと問われると、必要な状態であるといえます。

わかりました。ありがとうございます。こちらで治療をお願いしようと思います。

この歯であれば、根管治療は1回で終えることができると思います。よろしくお願いします。また不明な点などありましたら、次回来院時になんでも聞いてください。

1回で終われるんですか!?前の先生からは、最低でも4〜5回は薬の交換が必要と言われていましたが、1回で終わって大丈夫なのでしょうか。回数は少ない方がありがたいですが…

一般的に、根の治療は回数がかかると言われています。しかし、ラバーダム防湿を行い、適切な治療環境で行えば、必要以上に回数をかけることはありません。シンプルな根管であれば1回、複雑な歯でもほとんどは2回で治療を終えることができます。

ありがとうございます。安心しました。ぜひお願いいたします。

承知いたしました。それでは、次回から治療を進めていきましょう。

よろしくお願いいたします。

執筆・監修者情報

髙井歯科クリニック 院長 髙井 駿佑(日本歯内療法学会 専門医)

髙井歯科クリニック 院長

髙井 駿佑Shunsuke Takai

根管治療(歯の神経の治療)を専門とし、マイクロスコープとラバーダム防湿を用いた精密根管治療を2,000件以上担当。大阪大学歯学部附属病院での研修後、医療法人晴和会うしくぼ歯科で副院長を務め、2023年に髙井歯科クリニックを開院。日本歯内療法学会専門医として、歯科医師向けセミナーの講師や専門誌・書籍の執筆も行っています。

経歴

  • 2007年県立宝塚北高等学校 卒業
  • 2013年国立鹿児島大学歯学部 卒業
  • 2014年大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
  • 2016年医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
  • 2019年医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
  • 2023年髙井歯科クリニック 開院

資格

  • 日本歯内療法学会 専門医
  • 日本外傷歯学会 認定医
  • 日本臨床歯周病学会 認定医
  • 米国歯内療法学会 Specialist member
  • 日本医療機器学会 第2種滅菌技士

本記事は、髙井歯科クリニック 院長・髙井 駿佑(日本歯内療法学会 専門医)が執筆・監修しています。記事の内容は診療ガイドラインや学会発表・論文等をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科医院にご相談ください。

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