論文紹介

タイトル

Does Maintaining Apical Patency during Instrumentation Increase Postoperative Pain or Flare-up Rate after Nonsurgical Root Canal Treatment? A Systematic Review of Randomized Controlled Trials

器具操作中のApical Patencyの維持は、非外科的歯内療法の術後疼痛やフレアアップを増加させるか?
ランダム化比較試験の系統的レビュー

目的

APは術後疼痛やフレアアップの増加につながるのかを評価すること

Materials & Methods

RCTを集めたのシステマティックレビュー

Outcome
1st:術後の疼痛の程度
2nd:術後の鎮痛薬の服用

Results

246本から5本のRCT研究が抽出、合計患者数848人
Low risk:1 High risk:1 Nonclear risk:3

生活歯・失活歯ともに、APは術後疼痛を増やさない
フレアアップは起こらなかった(0%)
鎮痛薬の服用もAP+で増加しない

全体としてはLow~Moderate evidence

Conclusion

器具操作ごとのAPの維持は、術後疼痛やフレアアップを増加させることはない
(疼痛の助長にはつながらない)

コメント

APはデブリスや感染源を根尖孔外へ押し出すことで、術後疼痛につながるのではないか?との疑問に対する研究です。

システマティックレビューではありますが、ただし、研究デザインや疼痛の評価、プロトコールなどがバラバラのため、文献としてのエビデンスは低く、メタ解析は適応外と言及されていました。

質の高い研究ではありませんが、APが術後疼痛を引き起こすことを否定するエビデンスのひとつといえます。

監修者情報

院長 髙井 駿佑

経歴

  • 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
  • 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
  • 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
  • 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
  • 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
  • 2023年 髙井歯科クリニック 開院

資格

  • 日本歯内療法学会 専門医
  • 米国歯内療法学会 会員
  • 日本外傷歯学会 認定医
clinic

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