根管治療が治らない原因② 隠れた根管
- 2023年8月7日
- 根管治療(歯内療法)
根管治療が治らない原因② 隠れた根管
こんにちは。豊中市緑地公園の歯医者(歯科医院)髙井歯科クリニック院長の髙井駿佑です。
今回は、根管治療が治らない原因の2つ目として、隠れた根管(見つけられなかった根管)についてお話いたします。
根管治療は根の細い道筋を探る治療
根管治療とは、根の中を探る非常に細かな治療です。
”根の中をいかに綺麗にするか”が重要となりますが、そもそも根の中はまっすぐで大きくあいているわけではありません。
そもそも根の入口を探すこと自体が難しい場合もあります。
根管が見つけにくい条件
以下のような場合、根管が非常に狭くなっていたりすることで、根管が見つかりにくいことがあります。
・長期にわたりむし歯がじわじわ進行している歯
・比較的高齢の患者様の歯
・咬む力が過度にかかっている歯
上記の場合、いずれも身体の生理的な反応として、歯に象牙質が添加し、根管が非常に細くなります。
マイクロスコープを使用することでかなりの確率で見つけることができますが、根管の太さが最小の器具サイズ(直径0.06mm)よりも細くなると、十分な器具操作を行うことが難しくなります。
しかし、そのような場合でも、器具が進むところまでをしっかりと処置することで、治癒は十分に見込めます。
隠れた根管(MB2)の発現頻度が高い上顎第一大臼歯
上の歯の前から6番目(親知らずを除いて奥から2番目)の歯は、MB2と言われる隠れたもうひとつの根管が存在している確率が非常に高いです。
隠れている根管が見つけられず手つかずのままだと、その根管の部分に存在している感染源(細菌に感染した汚染物質)を取り除くことができず、結果として痛みや腫れなどの症状につながります。
MB2の発現頻度は、上顎6番で50%とも70%とも言われています。
当院を含めて歯内療法専門医に紹介される歯の多くは、MB2が手つかずの状態です。
ここをしっかりと処置することで、治療しても治らなかった歯の症状が改善する可能性があります。
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