タイトル
The antibacterial action of sodium hypochlorite and EDTA in 60 cases of endodontic therapy
60例の歯内療法における次亜塩素酸ナトリウムとEDTAの抗菌作用
目的
In Vivoでのヒポクロの濃度による抗菌性を評価すること
Materials & Methods
60本の単根 歯髄壊死+根尖部透過像あり
治療の各ステップで細菌の検出率(CFU)を測定
20本:0.5%ヒポクロ
20本:5%ヒポクロ
20本:5%ヒポクロ+15%EDTA
アクセス後と拡大形成後にペーパーポイントを使用して根管内容物を採取し、細菌培養により定量評価
1回目終了後は貼薬なし
2回目終了後も貼薬なし
3回目終了後は水カル貼薬
Results
ヒポクロの濃度による抗菌性の差はなかった
ヒポクロ単体よりも、EDTAとの併用は明らかに細菌数減少
機械的拡大や洗浄で除去できなかった細菌は、貼薬なしだと次回までのアポイントの間に増殖している
▼NaOClの濃度:0.5%と5%のNaOClの抗菌効果に差なし
▼EDTAの併用:5% NaOClとEDTAの併用は、NaOCl単独使用よりも効果的であった。
▼治療間の管理:治療間に根管内に薬剤を残さない場合、細菌が再増殖する可能性があるため、適切な管理が重要である。
Conclusion
・ヒポクロの濃度で抗菌性に差はない
・フレッシュなヒポクロで洗浄を繰り返すことが重要
コメント
ヒポクロの濃度と抗菌性について、Vivoでは濃度間の差がないという論文です。
本論文のメインテーマではありませんが、アポイント間に貼薬しない状態だと、容易に根管内で細菌が増えるという点についても述べられています。
余談ですが、本論文と同じ著者、同じ雑誌、同じ内容の論文でも、別タイトルで検索がひっかかりました。
本論文 :The antibacterial action of sodium hypochlorite and EDTA in 60 cases of endodontic therapy
検索結果:The antibacterial effect of sodium hypochlorite and EDTA in the treatment of infected root canals
論文自体の中身は全く同じでも、文献のデータベースや表記法などにより、タイトルが異なることがあるようです。
監修者情報

院長 髙井 駿佑
経歴
- 2007年 県立宝塚北高等学校 卒業
- 2013年 国立鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 大阪大学歯学部附属病院 総合診療部 研修修了
- 2016年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 勤務
- 2019年 医療法人晴和会うしくぼ歯科 副院長 就任
- 2023年 髙井歯科クリニック 開院
資格
- 日本歯内療法学会 専門医
- 米国歯内療法学会 会員
- 日本外傷歯学会 認定医